卵殻活用環境配慮製品に商機 SAMURAI TRADING 桜井裕也社長 埼玉活躍企業
卵の殻を利用したバイオマスプラスチックの製造など環境配慮商品の開発、製造を手掛けるSAMURAI TRADING(桶川市)。桜井裕也社長(55)は、地域の発展と環境保護を両立させるための活動に注力したいと意気込む。 【写真】新江ノ島水族館「あわたんカフェ」で採用されているシェルミンの食器 --創業のきっかけは 「食品工場を経営していたときに、当たり前のように卵の殻を産業廃棄物として毎月100万円以上払って焼却していました。ただ、平成17年の米国視察時に現地スーパーの売り場を見て違和感を覚えました。米国ではすでにプラ容器から紙容器にシフトが始まっていたのです。時を同じくして『不都合な真実』という映画を見て、環境問題に取り組む決意をしました」 --現在注力している事業内容は 「環境に配慮した事業活動に注力しています。主な事業内容としては、食品添加物の開発と輸出入、卵の殻を利用したバイオマスプラスチック『シェルミン』やエコペーパー「CaMISHELL」の開発があります。これらは環境負荷を軽減し、持続可能な選択肢として注目されています。サーキュラーエコノミーへの取り組みとしては、家庭用廃食油の回収事業を進め、回収した油を(植物性廃食用油を原料に精製されるディーゼルエンジン用燃料の)BDFや(航空機用再生燃料の)SAFにリサイクルすることを目指しており、海洋汚染防止にも寄与する重要な活動です」 --今に至るご苦労は 「環境問題に対する強い意識を持ち、持続可能な社会の実現に向けて多くの苦労を重ねてきました。主な挑戦は、卵の殻を利用したバイオマスプラスチック『PLASHELL』の開発です。この製品は、卵の殻を60%含有し、環境負荷を軽減することを目的としています。食品業界での経験を生かし、産業廃棄物として捨てられていた卵の殻を有効活用することを考えました。しかし、卵の殻とプラスチックを均等に混ぜる技術的な課題に直面し、3年試行錯誤を重ねました。お菓子の製造で培った技術を応用し、最終的に成功を収めたものの、全くと言ってよいほど売れませんでした。今は大手飲食店各社に食器などで採用されるまでになりました」 --新たに取り組みたい事業などは