「年金だけで生活できません」高齢者世帯の41.7%に。親世帯に仕送りする子世帯も多い?
人生100年時代と言われている現代において、年金生活を送っているシニア世代でも働き続ける人が増加傾向にあります。 ◆【円グラフ】年金だけで生活している世帯割合は41.7%のみ 実際に、内閣府「令和6年版 高齢社会白書」によると、65~69歳の就業率は53.5%、70~74歳の就業率は34.5%と、いずれも過去最高となっています。 上記から、「老後は年金だけで生活する」という考えはあまり現実的ではなくなっている現状がみてとれます。 では、年金だけで100%生活を送れているシニア世代はどのくらいいるのでしょうか。 本記事では、シニア世代の年金事情について紹介していきます。 親世帯へ仕送りをしている割合についても紹介しているので、老後の収支を考えるきっかけにしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金だけで生活できない高齢者世帯は41.7%
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は「41.7%」となりました。 ●公的年金・恩給を受給している高齢者世帯 ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:41.7% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満の世帯:17.9% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:13.9% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:13.2% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満の世帯:9.3% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0% 高齢者世帯の半数以上が年金だけでは生活できておらず、約2世帯に1世帯が、就労所得や老後資金から生活費を補填していることがわかります。 さらに、厚生労働省の同調査によると、65歳以上の高齢者世帯の59.0%が「生活が苦しい」と回答しています。 これらのデータから、現状の公的年金制度だけでは多くの高齢者世帯の老後の生活費を十分に賄えておらず、結果として生活に困窮している高齢者が増加しているとうかがえます。 では、現在のシニア世代は、どのくらいの額の公的年金を受け取っているのでしょうか。 次章にて、国民年金・厚生年金の平均月額を確認していきましょう。