赤い彗星が帰ってきた 3大会ぶり出場の東福岡が29日初戦 伝統のサイド攻撃&歴代屈指の堅守で尚志とのプレミア対決へ
28日に東京・国立競技場で開幕した男子の全国高校サッカー選手権に「赤い彗星(すいせい)」の愛称で知られる東福岡が3大会ぶりに出場する。 ■「高校レベルの崩しじゃない」神村学園がスーパーゴール連発【動画】 伝統のサイド攻撃に加え、今年は堅守も磨いてきた。9大会ぶりの優勝を目指し、29日の1回戦で尚志(福島)とのプレミアリーグ勢対決に臨む。 ◆ ◆ 赤い彗星が全国の舞台に帰ってきた。直近2大会の出場を逃した東福岡は、昨年12月にOBの平岡道浩氏(47)がコーチから監督に昇格。伝統のサイド攻撃と守備を磨き直した。「基本に忠実なサッカーを貫き、一戦一戦を手堅く勝ち切りたい」と、全国でも過去3度の優勝を誇る名門「ヒガシ」の復権を誓う。 激戦の県予選を勝ち抜いた原動力が、全3試合を無失点に抑えた堅い守りだ。主将のDF柴田陽仁(3年)とGK後藤洸太(同)を中心に緻密な守備網を構築。高校年代最高峰の高円宮杯U―18(18歳以下)プレミアリーグ西地区でも22試合で28失点に抑え、1試合平均失点(1・27)のチーム最少記録を更新した。柴田は「全員で体を張る、高い守備意識で戦えた」、反応鋭いGKの後藤も「チームの自信につながった」と手応えを語る。 攻撃陣もMF児玉愁都、FWの稗田幹男と神渡寿一ら3年生を軸に層が厚い。現役時代は右サイドで活躍し、1995年度大会で東福岡を3位に導いた平岡道浩監督は「ヒガシのサイドアタックは不変。中盤がボールを奪って、最後の局面で両ウイングが面白いプレーをしてくれたら」と期待を寄せる。 東福岡が入ったブロックは、前回覇者の青森山田や静岡学園、尚志(福島)などのプレミアリーグ勢がひしめく「死のブロック」だ。29日の1回戦は尚志と激突。頂上までの道は険しいが、平岡監督は「強豪相手にどこまで戦えるか。楽しみしかない」と心躍らせる。 チームが最後に優勝したのは2015年度大会。柴田は小学3年のとき、テレビで先輩たちの雄姿を見て「かっこいいな」と憧れた。「僕たちも子どもたちが目標とするようなサッカーをし、必ず全国制覇を果たしたい」と覇権奪還を宣言した。(山崎清文)
西日本スポーツ