スーパーフォーミュラ引退発表の山本尚貴、「中嶋監督に背中を押してもらった」「僕の体を心配して『今季限りで』と打診」
◇スーパーフォーミュラ 第8、9戦 フリー走行 8日 鈴鹿サーキット(三重県) ペン=田村尚之、カメラ=多賀まりお 5日に交流サイト(SNS)でSF引退を発表したナカジマの山本尚貴が会見し、中嶋悟監督のアドバイスが決断につながったと明かした。「引き際は十分に考えていたが、『好きなこと』『やりたいこと』を辞めるのは難しかった。中嶋監督から僕の体を心配して『今季限りで』と打診され、背中を押してもらった」 昨季のスーパーGTで負った首の負傷は癒えたものの、次に何かあった場合のダメージは計り知れない。自身が満足できる結果を残せないことも負担になっており、すっぱりと退く決意を固めたという。 自ら決めたとはいえ、15年も最前線で戦ってきた国内トップフォーミュラを去る喪失感は甚だしく、「4分の3ぐらい(心に)穴が空いたような気分になり、『全て(のレースから)降りようかな』というほど気持ちが落ちかけた」。支えになったのがファンの声だった。「自分でも驚くほど多くの人から(引退を)惜しむ書き込みがあった。『また頑張ろう』という気持ちになった」。来季のスーパーGTは未定ながら、レースを続ける気持ちがふつふつと湧いてきた。 そんな闘争心が、この日のトップタイムにつながった。「フリー走行とはいえ、みんなが新品タイヤでコースに出た中での最速。やっぱり『1番』がいい。このまま勝ち逃げしたい」。SF3度の王者が有終Vへと突き進む。
中日スポーツ