中国EVメーカー「NIO(ニオ)」とは何者か? 想像より凄い…事業内容や売上を徹底解説
価格は? 車種は? NIOのラインナップ
NIOは、振興EV企業3社の中でも高級路線を打ち出している。ラインナップは、以下のとおりだ。 NIOのラインナップ 注:為替レートは約1人民元=19.8円で計算(2024年9月13日時点) (出典:各種資料公表資料から作成) 上海モーターショー2023では、フルモデルチェンジした新型「ES6」や、2023年アップグレード版の「ET7」、納車スタートを控えた「EC7」などが登場。会場では、「ET7」予約販売の手続きも開始された。
今後、NIOはどうなる? 3つの注目ポイント
NIOは2024年4~6月決算期において、売上高と販売台数を大きく伸ばした。 EV向け長寿命バッテリーの共同研究開発や新型車のリリースなどの動向もあり、今後の活躍が期待される。 ■トピック(1):CATLと長寿命電池の開発を提携 NIOは2024年3月、長寿命バッテリーの研究開発に向けて、中国の車載電池大手・CATL(寧徳時代新能源科技)と提携することを発表した。 CEOのリー氏は記者団に対し、電池の使用期間を8~10年以上に延ばす目標を語った。現在のEVのバッテリー保証期間は基本的に8年であるものの、保証期間が終了しても車自体は使用可能な状態にあるという。バッテリーの寿命をより向上させることで、今後予想される保証期間終了後のバッテリー交換コストの負担を軽減する狙いだ。 さらに、EVの購入コストを抑えられるよう、電池の月額使用料を最大33%引き下げることも発表された。 ■トピック(2):新型ラグジュアリー電動SUV「EL8」を欧州で発表 2024年6月、NIOは新型となる「EL8」を欧州で発表した。 「EL8」は6人乗りの新型ラグジュアリー電動SUVで、2つのモデルがある。1つめは14方向に調整可能なリアシート、2つ目はスマート冷蔵庫を備えたエグゼクティブコンソールモデルで、後者にはマッサージ機能も標準装備されているという。 0~100km/hの加速は4.1秒で、100kWhのロングレンジバッテリーを選択すれば、WLTPで510kmの航続を実現可能だ。スマートセーフティシステムを初めて導入するなど、安全性も重視されている。 「EL8」は中国に先駆けて、デンマーク・ドイツ・オランダ・スウェーデン・ノルウェーでの販売が予定されている。 ■トピック(3):低価格帯ブランドOnvo(楽道)誕生 2024年5月からは、より手頃な価格帯のEVブランド「Onvo(楽道)」をスタートさせている。競争の激しい中国EV市場で足場を固めるべく、大手テスラのSUV「モデルY」に対抗する目的で開発されたブランドだ。 最もベーシックなNIOブランドのモデルが29万8,000元からとなっているところ、21万9,900元からの価格を予定している。プレミアムブランドとして位置付けられる従来のNIOブランドとは一線を画すブランドになるものの、充電ネットワークや販売・サービス拠点などのほとんどのインフラは共有される。 高級EVを開発・販売するスタートアップ企業・NIOは、バッテリー交換方式の採用やEVライフスタイル事業の展開など、ユーザーとの距離を縮める独自のサービス展開に強みをもっている。競争の激しい中国EV市場でどのような活躍を見せるか、今後の動向に注目したい。