J1残留へ風向き変えた“見えない力” 降格圏脱出へ…追い風になる「アドバンテージ」【コラム】
アウェーで神戸攻略へ、鍵となる“ファーストインパクト”の回避
間違いなく厳しい戦いになると予想されるアウェーの神戸戦だが、磐田にとって多少なり、アドバンテージになり得るのが日程だ。磐田が10月19日のC大阪戦からほぼ2週間空くのに対して、神戸は0-2で敗れた18日のFC東京戦から中4日でACL(AFCチャンピオンズリーグ)エリートのアウェー蔚山現代戦、さらに中3日で京都と天皇杯の準決勝を戦った。2-1から京都の猛攻に耐えて、90分で試合を終えたことは神戸にとって大きいが、それでもコンディション面の負荷というのは少なからずあるだろう。 キャプテンの山田大記は「後半に点を取れるというのはJ1の中でも自信として持っている」と前置きしながら「どういうスタートか分からないですけど、誰が出たとしてもサブにもある程度、ゲームを決められたり流れを変えられる選手がいるので。そこは1つの強みとして勝ち点3を取れればいい」と主張する。その流れに持ち込むためにも、まずは前半に失点しない、ビハインドを負わないことがアウェーでの勝利条件になってくる。 「チームとして90分を通して強度の部分だったり、そこの積み上げを試すというところはありながらも、開始早々の失点でゲームを難しくしてしまうと、相手の力、チーム状況から、かなり難しいゲームになってしまうので。そういうところも自分たちは意識して取り組んできたところなので、いいゲームの入りがものすごく重要になると思います」 山田キャプテンもそう気を引き締めるが、まさにホームの開幕戦で磐田は神戸に開始5分でCK(コーナーキック)から失点。相手に主導権を握られて、後半の立ち上がりにもミスを突かれたカウンターから追加点を奪われて、0-2で完敗した苦い経験がある。横内監督も「入りというのはどの試合でも大事ですけど、神戸に関してはより重要なポイントかなと思ってます」と語る。神戸の強さの要因は色々とあるが、その1つがファーストインパクトだ。立ち上がりからトップギアで入り、ハイプレスと直線的な攻撃で相手を畳み掛けて、あわよくば早い時間帯に得点を奪いにくるのだ。 横内監督ば「凌ごうと思って凌げないので。受けるだけじゃダメだと思うんですよね。そこは難しいですけど、注意深くはしなきゃいけない」と語るが、分かっていても厳しい神戸のファーストインパクトをいかに耐えながら、押し返していけるか。もちろん、その裏返しから磐田が少ないチャンスを決めてリードを奪うようなら、C大阪戦のような流れに持ち込みやすくはなる。少なくともリードを奪わせずに前半を折り返せれば、後半の好勝負に持ち込むことは可能だろう。