マクドナルドにもしビッグマックがなかったら…日本の外食を変えた「豪快バーガー」誕生の裏側
激しいダンスとともにステージで歌うジャネットの衣装がはだけ、バストが露出した映像が全米に流れてしまったのだ。 このハプニングは、当時のアメリカ世論を揺るがす大きな“事件”となったのだが、このニュースを知ったカリムがネットで動画を探そうとしてもなかなか見つからなかった。この体験によって、動画を共有するサービスのアイデアを思いついたという。 それを同じ会社の従業員だったハーリーとチェンに持ちかけ、3人で「YouTube」を設立した。ちなみにTubeはアメリカでは、ブラウン管のテレビを指すのに使われる言葉である。 当初は、動画を使った出会い系サービスのようなものを目論んでいたが、思うようにいかず、誰でも投稿できるサイトにシフトした。 最初にアップロードしたのは「Me at the zoo」という、サンディエゴ動物園にいるカリムを友人が写したわずか19秒の動画で、これは今も閲覧することができる。 カリムはその後、学業に専念するために経営からはずれたが、残りの2人がサービスを広げ、翌年には当時ブラジル代表だったサッカー選手のロナウジーニョが出演したナイキの広告動画が初めて100万再生を達成した。 だが、いくら人気が出てもサーバーの回線コストだけで膨大な出費があり、収益をあげるまでには至らない。著作権の問題も少数精鋭ではとても解決しきれなかった。 そんな問題に悩んでいたさなかのYouTubeに、買収を持ち掛けたのはGoogleだった。 Googleもまた動画配信市場への進出を狙っており、YouTubeというメディアはまさにうってつけだった。つまり、両社にとってはWin-Winの関係だったというわけである。 そして2006(平成18)年、YouTubeはGoogleの買収契約に応じた。創業からわずか2年足らずで買収額が約1950億円にのぼったのは、このサービスの将来性に対する期待でもあるが、実はGoogleのほかにYahoo!やMicrosoftも買収に乗り出しており、おのずと額が吊り上がったともいわれている。