大学と「野球場」や「市場」が一体化? キャンパス移転、街づくりへのメリットは?
カギは「改革の継続」
このように、キャンパスの移転・再編ラッシュと並行して、大学のあり方自体にも大きな変化の波が押し寄せています。実際に進学先を選ぶとなると、やはり、大学間の競争に勝って、今後も発展していく大学を選びたくなるもの。では、どんな視点から大学選びを考えればいいのでしょうか。 「利便性が良い土地にキャンパスを移転すれば、一時的には話題になって志願者数を増やす効果があるでしょう。でも、他大学もどんどん都市部に移転してきますから、長い目で見るとそれだけで安泰とはいきません。学部の新設や改編などで学生のニーズに応える学びの形を提供したり、産学連携で学外とも大胆に連携したりと、時代に合った改革を継続的に行っているかどうかが重要になってきます。キャンパスの位置や設備の新しさだけでなく、こうした視点で気になる大学について調べてみるのがいいでしょう」(小林所長) 移転計画を知らずに入学したら、在学途中で引っ越しを余儀なくされた……などということを避けるために、事前にしっかり調べておくことは言うまでもありませんが、大切なのはあくまでも学びの中身です。キラキラした新キャンパスや、ビルが立ち並ぶ周辺地域の華やかさなどに惑わされすぎないことも大切です。 「まずは何を学びたいのか、親子でよく話し合って考えることが第一です。設備は古くても良い指導者がいて、自分がやりたかったことができるというケースもあります。そうした基盤があったうえで、交通の利便性が良いとか、最新の設備があって学びやすい環境ができているといった要素も考慮にいれて、比較検討していくのがいいでしょう」(大学通信の井沢部長)
朝日新聞Thinkキャンパス