小さいのにド迫力 全長4.0m「近未来的オフロード車」 ジャガー出身デザイナー最新作が公開
2026年より少量生産
欧州の著名な自動車デザイナーが小型の電動2+2オフローダー「スカイ」を公開した。2026年夏から生産開始予定だ。 【写真】絵に描いた美しさを持つコンパクト・オフローダー【イアン・カラム氏による「スカイ」を写真で見る】 (10枚) ジャガー出身のデザイナー、イアン・カラム氏率いる英国のデザイン会社カラム(CALLUM)が開発したEVで、2基の電気モーターと42kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は275kmとされる。最高出力250ps、最大トルク30.5kg-m、0-100km/h加速4秒以下を誇る。 年間50台から250台が生産される予定で、価格は8万ポンド(約1600万円)から11万ポンド(約2200万円)。 ロンドンで一般公開された際、イアン・カラム氏はAUTOCARの取材でこう語った。「単なる小綺麗な街乗り車ではなく、本格的なオフロード性能を備えています。当社はこのプロジェクトに2年間取り組み、プロトタイプの開発に着手する準備が整いました。2年以内に生産に入るでしょう」 「米国の西海岸にインスパイアされたクルマです。オフロードカーであり、サンドカーであり、マッドカーでもある。西海岸には多くのお客様がいらっしゃると思います」 カラム氏によると、同車は柔軟性を重視した設計で、オフロードまたはオンロード性能に特化した2種類のボディスタイルから選択できるという。オフロード仕様車は車高が高く、サスペンショントラベルが最大100mmとなる。オンロード仕様では内装の高級感をさらに高めている。 オプションで急速充電器を付けることができ、10分以内にバッテリーをフル充電できるという。 大胆なフォルムは車両の「能力」を表現したものであり、ドア開口部を囲む力強い「アクセント・ループ」をデザインのベースにしている。サイドドアの上下はガラス張りになっている。 全長4047mm、全幅1900mmと、Bセグメント車に相当するサイズだ。
頑丈な本格オフローダー
シャシーは頑丈なスチール製スペースフレームで、十分な最低地上高と特注の独立サスペンションの可動域を確保。複合素材の軽量ボディにより車両重量1150kgを実現し、EVとしては非常に軽い部類に入る。 シャシーコンポーネントの大部分は自社開発だが、バッテリーと電気モーターは外部のサプライヤー(匿名)から調達している。 カラム社のエンジニアリング・ディレクターであるアダム・ドンフランチェスコ氏は、同車の走行性能について「どれだけ速く走れるかではなく、ステアリングやサスペンションのフィーリングが良い、 “ターマックのラリーカー” のようなものを目指しています」と述べた。 インテリアはミニマリズム重視のデザインとなっており、かつてイアン・カラム氏が担当したジャガーFタイプに似た、回転ダイヤル付きのセンターコンソールが特徴だ。ダッシュボード上部には、スマートフォンのミラーリング機能を備えた10インチのセンタータッチスクリーンが設置されている。 ベンチシート型の後部座席は子供が座れる大きさで、リアのテールゲートを開くとトランクにアクセスできる。 「可能な限り使いやすいクルマにしたい。クラシック・ポルシェの室内は、多くの人にとってクルマを楽しむのに十分な広さだと思います。ある意味、それがわたし達のサイズ基準になっています」とイアン・カラム氏は言う。 イアン・カラム氏は2019年のジャガー退社後、自身の名を冠したカラム(CALLUM)というデザインおよびエンジニアリングの専門会社を設立した。これまで複数のプロダクトデザインを手掛けてきたが、オリジナルの車両開発はスカイが初めて。 カラム社のスタッフは現在20名を超えているが、イアン・カラム氏は常に「小規模で機敏」な体制を目指しているという。