巨人大物OBが指摘する巨人が4連敗した3つの理由「調整力」「捕手力」「育成力」…「原監督は謙虚に反省せよ」
広岡氏が指摘するチームコンディショニングとはピーキングの作り方だ。 ソフトバンクは14、15日とクライマックスシリーズをロッテと戦い、日本シリーズに乗り込んできた。ペナントレースも10月に12連勝、6連勝を含む月間22勝でロッテを一気に引き離すなど、チーム状態を右肩上がりにしてポストシーズンに臨んだ。 一方の巨人も最終戦が14日の横浜DeNA戦だったが、マジックを点灯させてからモタモタし優勝を決めてからも緊張感のない試合が続いていた。巨人はどちらかと言えば右肩下がりでシリーズに突入していた。「短期決戦は采配でなんとかなる」という広岡氏は、その準備の段階から両チームに差があったと指摘するのだ。 その影響がもろに出たのが打線である。3戦貫いた1番吉川、2番松原の2人が機能しなかった。この日は、打線を大幅に組み替え、1番若林、2番坂本の1、2番コンビが、いきなり和田の立ち上がりに襲いかかって連続二塁打でシリーズ初の先取点となる1点を奪うが、大量得点につなげることはできない。無死二塁から3番丸、4番岡本は続けて倒れ、二死一、二塁から6番中島が9連続ファウルで粘ったが、最後は三振。14球も投げさせて、和田を2回で引きずり下ろすことにはなったが、ソフトバンクの投手陣は、2番手以降の方がボールが速くなる。松本、嘉弥真、高橋礼とつながれ、7回からは岩嵜、モイネロ、森の勝利方程式。結局、「スミ1」で12三振である。 とにかくシリーズを通じて打てなかった。4試合のチーム打率.132、安打数「16」はいずれも日本シリーズワースト記録で、得点数「4」も2005年の阪神のワースト記録に並んだ。 「ソフトバンクの打線は柳田、栗原、中村らに代表されるようにバットを振る。対して巨人はタイミングを合わせようと小細工するだけで振っていない。バットスイングの質とパワーが違っていた」 広岡氏は、投手力の差も顕著だったという。 「第2戦の今村にしても、この日の畠にしても経験不足。とてもじゃないが、4勝4敗のピッチャー(畠)がビッグゲームで持つはずがない」 先発の畠は、リードを守れず、1回に柳田に2ラン、2回に甲斐に2ランを許して、2回を持たずにマウンドを降りていた。 「ソフトバンクは、出てくるピッチャーのほとんどがパワー系で150キロ台のストレートをマークしていた。対して巨人は戸郷が150キロ台を出していたが、力で押し込むようなピッチャーはいなかった。巨人の投手は投げた後に投球フォームが流れるピッチャーが目立つ。軸がぶれているのだ。ピッチング技術について勉強をしている工藤が教え込んだソフトバンクの投手との差がそこにある」