大相撲名古屋場所、北の富士さん久々登場も、大関の全滅は悲しい…。期待の新関脇・大の里が元大関の御嶽海に敗北。照ノ富士は苦戦の勝利
7月14日、猛暑と荒天のなか、大相撲名古屋場所が、愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で初日を迎えた。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。 * * * * * * * ◆期待するのは新関脇・大の里 大相撲名古屋場所が、愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で初日を迎えた。前売りチケットは完売だそうだ。 暑い名古屋での熱い戦いへの期待とともに、心配もわいてくる。 期待するのは、初土俵から7場所で史上最速優勝を果たした新関脇・大の里だ。連覇をし、相撲の内容が良ければ、大関昇進の道が開けるかもしれない。 心配は、大の里の髪の毛がなかなか伸びず、今場所もちょん髷だということではなく、崖っぷちの上位陣だ。 2場所途中休場の横綱・照ノ富士が、自身の目標とする10回目の優勝ができるか?先場所休場した大関・貴景勝は9回目の角番を脱出できるか?先場所負け越して大関を転落した霧島が関脇で10勝以上をあげて大関に復帰できるか?が心配なのだ。 大関の琴櫻と豊昇龍は、連勝して優勝バトルを繰り広げてほしい。 しかし、初日はその願いもむなしく3大関が全滅し、NHKテレビ実況の三輪洋雄アナウンサーが「結び、横綱が締めました」と力を込めて言うはめになった。 関脇の登場となり、霧島は勝った。しかし、大の里は武器である右差しを前頭2枚目・御嶽海に封じられて押し出された。御嶽海は「さすが元大関」という相撲を見せた。 その後、関脇・阿炎が負け、大関の貴景勝、豊昇龍、琴櫻が次々と敗れたのだ。 向正面解説の舞の海さんは、「これは北の富士さんはテレビの前で怒ってますよね」と言った。
◆ベテランの技が染みるお年頃 後半戦の前に、いきなりNHK大相撲解説を長年務め、昨年3月から解説を休んでいる北の富士さん(元横綱・北の富士)が録画で登場したのである。「角番の貴景勝にはなんとか頑張ってほしいものです」「特に期待しているのは先場所優勝した大の里」「それでは皆さん一緒に楽しみましょう」などと語っていた。お姿を見られて嬉しくなったが、北の富士さんが「楽しみましょう」と言っても、大関の全滅は悲しい。 正面解説の浅香山親方(元大関・魁皇)は、「力の差がないので、こういうことになる」と話していた。北の富士さんが現役の頃の番付の権威を示す大相撲の時代が、神々しく思えてきた。 2場所連続途中休場している照ノ富士は、胸の筋肉が落ちていて、大丈夫か?と心配になった。場所前のインタビューが紹介され、照ノ富士は、「自分もいつまでもこういうだらしない姿でいるわけにはいかない」と話していた。横綱として今場所は覚悟の場所なのだろう。 照ノ富士は小結・平戸海に下にもぐられて苦戦したが、寄り切りで勝利した。 幕内の前半も目が離せない。膝の怪我で幕下まで落ちてしまった若隆景と1場所十両に落ちていた遠藤が幕内に戻った。2人とも前頭14枚目だ。残念ながら2人とも初日は負けた。朝乃山は、先場所膝の怪我で休場して小結から前頭12枚目に落ちたが、初日は勝った。この3人の人気力士は見逃せない。 私は前頭7枚目・佐田の海が前頭8枚目・竜電を、見事なすくい投げで破った姿をみて、「これぞ大相撲!」と叫んで大満足した。若い力士の活躍も良いが、私はベテランの技が染みるお年頃になってきた。
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