どっぷりインディアンでのバイクライフを楽しんでいたある日、突然余命宣告を受けたとしたら…… 余命4日からのリハビリと復活
──息子さんの免許やバイクは息子さんご自身で? 由美さん「いえ、じいちゃん。私の父親が出してくれました(笑)」 睦美さん「それで、自分もまたバイクに乗り出して。息子はマグナ250、僕は実家のお父さんが乗ってたビッグスクーターを貸してもらって、フュージョン、マジェスティ、フォルツァといろいろ乗りました。 その後、息子がスティードを自分で買ったんです。で、車検のときバイク屋さんに付いて行ったらスティードのスプリンガーがあったので、それに乗りたくなっちゃって」 ──その辺りからだんだんアメリカンの方向に。 睦美さん「それで、お父さんのマジェスティを下取りに出しちゃって(笑)。そのときのスティードはまだ息子が乗ってます」 ここまでは、よくあるリターンライダーと親子の物語だが、睦美さんの人生にインディアンが登場したことで、さらには奥様の由美さんもどっぷりインディアンの深みにはまることとなります。
──インディアンはいつから興味があったんですか? 睦美さん「息子が小学校の時に観に行った映画に出てきたんですよ。ラストのシーンにちょこっと出て来るぐらいなんですけど。たしかチーフだったかな。それが頭に残ってて」 何の映画だったかも思い出せないほどのささいなシーンだったそうですが、銀幕のインディアンの姿は強烈に睦美さんの脳裏に刻み込まれました。 睦美さん「もともとアメリカのネイティブ・アメリカンに興味があったんですよ。歴史から入って、インディアンというバイクメーカーにも興味が出てきて。インディアンの会社の歴史も調べて、勉強して凄い会社だなと思いました。 でもインディアンを目にする機会はないから、オートバイの博物館にインディアンを見に行ったりして。富士宮の“もちや”(※)に2台あったんですよね、スカウトとチーフと」 ※「ドライブインもちや」に「二輪車会館」という博物館があった(現在、閉館中)。