一過性ブームではない?「脱プラスチック化」はどこまで進むか
一方、飲料水の紙パック充填システムを展開する日本製紙のシステム担当は「炭酸飲料は炭酸ガスで内圧がかかるので紙は使えず、お茶や水など飲料の色を見せた方が消費者に与える印象が良い飲料も代替は進まないだろう」と見通す。ただ「今でも紙が使われている野菜ジュースのように、濁った色をした飲料やスムージーなどは紙に適している」と種類によっては紙パックの方が適している飲料もあるとの見方を語った。 プラスチックごみの内訳は、容器包装プラスチックのほか、電子機器・機械関係が全体の20.2%、建材が7.0%、家庭用品・衣料・家具関係が6.7%を占める。さまざまな分野で使われるプラスチックは、どこまで代替素材に置き換えられるのだろうか。 環境経済学の研究者で、国のプラスチック資源循環戦略小委員会などで委員を務める慶應義塾大学経済学部の細田衛士教授は「今使われているプラスチックをすべて代替材料に置き換える時代は、多分来ないだろう。代替材料があっても、例えば自動車や航空機のプラスチック部材の代わりに金属を使えば燃費が悪くなり、二酸化炭素の排出量も増える可能性もある。プラスチックをなくした場合の不利益も考えなければならない」と指摘する。 その上で「便利さを追求するあまり、必要がない用途にもプラスチックを多用してきたきらいがある。レジ袋を含めてワンウェイプラスチックについては、可能なものから徐々になくしていく取り組みを行うべきだ」と指摘した。 (取材・文:具志堅浩二)