“竜”の絶対守護神「マルティネス」は“鷹”に攫われるのか? 本人の意思だけで「移籍先を決められない」特殊事情
「僕はドラゴンズに残りたい」
中日の関係者によれば、マルティネスは「勉強家」でもあるという。対戦バッターのデータをスペイン語か英語に直してもらい、それを徹底して読み込み、分からないことがあれば通訳を探してスコアラーにも質問する。また、試合後には各々の場面を振り返って、「なぜ、この変化球が必要だったのか」などと、捕手やバッテリーコーチに聞いているそうだ。マルティネスのピッチングは160キロ超えの直球でねじ伏せるように見えるが、対戦打者の弱点を研究したものだったのだ。 また、井上監督を始め中日関係者が「来年もいっしょにやろう」と言い続けるのは、守護神流出だけが理由ではないようだ。 「今年5月の話になりますが、中日の地元TV局・CBCの『サンデードラゴンズ』がマルティネスの特集を組み、インタビューも受けています」(前出・名古屋在住記者) 片言の日本語ではあったが、「僕はドラゴンズにいたい」と言い切った。また、「将来はメジャー挑戦?」の質問にも、元同僚・ロドリゲスへの当て付けのように「先のことは分からないけど、キューバ人がメジャーに行くには亡命しなければならない。でも、僕は亡命したくないんだ」と断言した。中日ファンは「よくぞ、言ってくれた」と思っていたはずだ。 ニューヨーク・ポスト紙のフランシス・ロメロ記者の「X」によれば、「DeNAか、ソフトバンクが有力。年俸800万ドルから1000万ドル(約12億円から14億9000万円)のオファーがされている」とあった。その通りになれば、やはりソフトバンクが有利なのか…。
デイリー新潮編集部
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