【危険】3カ月以上長引くせき「肺NTM症」が増加傾向 日常に潜む菌で感染…死亡者数は結核の1.5倍 中高年・女性・痩せ型の人は特に注意
感染者の7割が女性
あまり耳なじみのない「肺NTM症」ですが、近年増加傾向にあることが分かっています。 患者数は最新の調査(2017年)で人口10万人あたり19.2人と推定。2007年の調査5.7人から約3.4倍となっています。 南宮医師によると、1年間に2万人ほどが感染しており、その7割程度は女性だということです。 肺NTM症にかかりやすい人の特徴として、「中高年の痩せ型の女性」が特に注意が必要で、40歳以降は急激に増加しているといいます。 また、「肺の病気がある」「結核にかかったことがある」「胃の病気がある」「免疫を抑える治療を受けている」「リウマチがある」方も注意が必要です。 ――なぜ、男性よりも女性が多く高齢になると、リスクが高まるのでしょうか? 南宮湖医師: この点に関してもまだまだわかっていない点が多いんですけども、中高年女性、特に閉経したあとにこの病気を発症したり、進行したりするということがデータとしていわれています。もしかしたら、女性ホルモン、環境の変化がこの病気と関連しているのではないかと言われています。 痩せ型ということに関しても、もしかすると痩せやすい、食べても体重が増えにくいという方がなりやすいかもしれませんし、病状が進行すること自体が体重減少につながりますので、両面性があるというふうに考えられています。
日常に潜む菌で感染
肺NTM症は、ヒト-ヒト感染はせず、水や土に潜む菌を吸い込むことで感染するといわれています。 家庭内ですと、台所や風呂場などの水回りで水しぶきやミストを吸い込むことで感染したり、ガーデニングや家庭菜園での作業中に土ぼこりを吸い込むことで、感染してしまうこともあるといいます。 MC谷原章介: 普通に家事をしていたらかかる可能性もあるし、普通に趣味を楽しんでいたらかかる可能性もあるわけじゃないですか。でも、全員がかかるわけではないんですよね?その差は何ですか? 南宮湖医師: この病気はおそらく、環境にいる菌、菌自体は弱毒なんですけども、患者さん側にもしかすると“かかりやすい体質”があって、そういった方が何かの機会に菌を気道から吸い込んでしまって定着することで、感染するのではないかと言われています。 倉田大誠アナウンサー: 特に季節性ということもなさそうなので、通年を通して皆さん気をつけて頂きたいと。