【特集:LEXUSの挑戦と熟成、そして革新②】レクサス「UX」は大幅改良。充電性能を高めるとともに、電気の力をさらに有効活用
充電性能の向上がもたらす、優れた機動力
LBXのデビューと相前後するかたちでマイナーチェンジを迎えたのがUXだ。Cセグメント級クロスオーバーという位置づけで、2018年の登場以来、他のレクサス銘柄と同様、事あるごとに小改良の手が加えられてきたが、今回はもっとも大きな変化となる。 【写真はこちら】LBXを前にしながら、UXはしっかり自分の良さを伝えるべく手を尽くし、しっかりその鮮度が蘇った(全8枚) 2023年12月に大幅改良を行ってパワートレーンが100%電動化されたUXをテストコースで試乗した。コンベンショナルな内燃機を搭載する200の廃止にともなって、HEVとBEVという100%電動パワートレーンの構成となっている。 その上で、HEVは5代目プリウスの開発で得られた知見を投入、新型モーターやリチウムイオンバッテリーの採用により性能を大幅に向上させたことに伴い、グレード名を250hから300hへと改めた。 駆動方式はFFと4WDが用意されるが、4WDはリアモーターの出力を約6倍に増強し、ドライバビリティ向上のために後輪を積極的に関与させる設定に変更されている。 BEVの300eは23年夏のマイナーチェンジで搭載バッテリーを72.8kWhに拡大、最大航続距離を512kmへと延長したが、その性能を継承しながら、今回はサーマルマネジメントが改良された。 バッテリー温度について上昇を抑えるクーラーと低下を防ぐヒーターを追加、常時適温に近づけることで充電時間を最大25%短縮しているという。とくに長距離ドライブの経路充電などでの利便性向上が期待できそうだ。 パワートレーンの改良による性能向上を受けて、車台の側にも手が加えられている。 骨格面ではラジエーターサポートブレースを追加、車体後端のロアバックパネルにガセットを追加するなどして捻じれ剛性を向上させたほか、制動力を各輪制御することでピッチやロールなどの姿勢変化を抑え接地力を高めるロジックの投入、ダンパーや電動パワステの制御最適化などハード・ソフトの両面で細かな見直しが行われ、レクサスの新たな開発拠点でもある下山テストコース(豊田市)を徹底的に走り込んでチューニングを重ねた。 内装まわりではメーターに情報量が多く表現力も高い12.3インチ液晶パネルを採用、シフトレバーも他のレクサス銘柄と同様の電気式としてすっきりした運転席環境を実現している。 全グレードにオプションで用意されるAC100V/1500Wアウトレットは新たに外部給電用アタッチメントを付属するようになった。