【歯科業界のキャッシュレス化が加速】SCOグループ、歯科医院約1万4000医院にクレジットカード決済を導入
歯科業界向けにメディカルテック事業や医療決済事業を展開するSCOグループは2022年、同社が提供する「Pay Light Plus(ペイライトプラス)」に、SBペイメントサービス(SBPS)のオンラインクレジットカード決済を導入した。導入当初は、SBPSの多数の加盟店を一括で審査する仕組みを活用することによって、約7000件の歯科医院に、1カ月足らずでオンラインクレジットカード決済を提供したという。 現在は、最短1週間程度で新規加盟店への導入ができるようになっており、2024年11月時点で、加盟店数は約1万4000医院に増加している。SCOグループの田丸暉(ひかる)取締役副社長は「歯科業界のキャッシュレス化が加速している」と話している。 <歯科業界のDX推進を加速> SCOグループが展開している「Pay Light」は、歯科業界向けメディカルテックサービスだ。患者が歯科医院の予約や会計をスマホで行える「Pay Light Plus(ペイライトプラス)」や、AIが歯科医院の電話受付をする「Pay Light Call(ペイライトコール)」、開業支援サービスなどを提供している。 「Pay Light Plus」は、歯科医院の受付で患者が決済手段を選択し、自分のスマホに通知してオンライン決済ができる。スマホ1つでさまざまな決済ができるのは歯科業界初だという。 キャッシュレス決済サービス「Pay Light Cashless(ペイライトキャッシュレス)」は、歯科医院向けに、決済端末で、クレジットカード決済や電子マネー決済、コード決済などの支払い方法を提供するサービスだ。 SCOグループによると歯科業界は、FAXでのやり取りや現金払いがまだまだ一般的で、デジタル化が一歩遅れている側面があるという。インプラントなどの自費診療のニーズが高まり高額な支払いをする機会が増えているのに、クレジットカードが利用できない医院が多いというのが、業界の課題となっていたそうだ。 「治療する目的があって初めて歯医者に行く」という日本の慣例も、大きな課題になっているそうだ。日本全体で口腔疾患は減少傾向にあるものの、成人の約7割が歯周病に罹患(りかん)しているという。進行した歯周病のある人の割合は改善していないため、定期的に歯科医院へ足を運んでもらう必要性があるとしている。 SCOグループでは、自社プロダクトの開発・提供を進めることによって、国民の健康意識をますます高めていきたいという。国民一人一人が、歯科医院に足しげく通える世界観を目指しているという。 <厚労省の通達とSBPSが両輪で後押し> クレジットカードの加盟店登録やキャッシュレス決済の導入の審査は通常、登録1件ごとに行うため、審査の承認が下りるまでに数週間かかるケースもあるという。システムの接続などに、労力もかかるそうだ。 SBPSの一括審査の仕組みを使うと、最短1週間程度で決済が使えるようになるという。 クレジットカード決済の導入を急ぐ歯科医院が多かったため、SBPSでは、一括で多数の加盟店を同時に審査する仕組みを活用し、審査を行った。 SBPSのオンライン決済サービスを採用した当時、約7000医院あった「Pay Light Plus」の加盟店を、1カ月足らずで審査したとしている。その後も、月間400~500件のペースで、新規の歯科医院の加盟店の審査を行っているそうだ。現在では、約1万4000医院が加盟店となっている。 田丸副社長によると、SBPSのオンライン決済サービスを導入したことが、歯科業界全体のキャッシュレス化に貢献したという。 「これまで、『保険治療にはキャッシュレス決済は使えない』というイメージがあった。2023年9月に厚生労働省は、『キャッシュレス決済を利用することは差し支えない』という判断をしたことによって、保険診療でキャッシュレス決済の導入が進んできた。厚労省の判断と、SBPSのスピーディーな審査が、歯科業界のキャッシュレス化を後押ししている」(田丸副社長)と話す。 日本歯科医師会も、SCOグループと連携し、歯科業界のキャッシュレス業界を推進している。 「Pay Light Plus」を導入した歯科医院では、キャッシュレス決済ができることをPRした結果、新規の患者の獲得にもつながっているという。
日本ネット経済新聞
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