伊ダニエリが千代田鋼鉄工業から「棒鋼圧延エンドレス化」受注。国内初、専用のLF・連鋳機納入
イタリアの製鉄プラント世界大手ダニエリは23日、電炉小棒メーカーの千代田鋼鉄工業(社長・坂田基歩氏)から綾瀬工場(東京都足立区)の次世代化工事を受注したと発表した。最新鋭の連続鋳造機を納入し、既設の棒鋼ミルと直結した国内初の「エンドレス圧延機」へと改造する。ビレットの再加熱が不要なため生産性が向上するほか、工場からの直接的な二酸化炭素(CO2)排出はゼロになる見込みだ。 ダニエリは主力製品として、電炉と連鋳機、条鋼ミルを直結した独自のエンドレス圧延機「MIDA(ミーダー)」を展開している。各種設備の部分的な導入にも対応しており、千代田鋼鉄向けではMIDA仕様の連鋳機を既存ラインに組み込む形となる。 今回は新設備として1ストランド型の連鋳機のほか、エンドレス化に適した溶鋼成分へと調整するための取鍋精錬炉(LF)も導入。圧延工場の一部改良も併せて実施し、細物小棒のエンドレス生産を実現する。 新連鋳機は高速鋳造が可能な独自の鋳型「オクトキャスター」に特徴がある。従来の150ミリ角のビレットに相当する独自形状の「8角形ビレット」を分速最大6・3メートルで切れ目なく生産。連続的に棒鋼ミルへと送り出せる。溶鋼から棒鋼へと仕上げる所要時間は15分以内という。 ダニエリによると、改修後の綾瀬工場の鉄筋用棒鋼(直径10~35ミリ)の生産能力は年間43万トン。大幅な省エネや生産性向上が可能となる。