接客の達人「CA」が機内サービス時、「お客様の肩」に注目する理由【元ANAのCAが解説】
お客様が声をかける前に、求めていることを提供する接客は非常に難易度が高いでしょう。接客の達人であるCAは、どのようなことを意識して機内サービスを行っているのでしょうか? 本記事では、元ANAのCAで人材教育講師の三上ナナエ氏の著書『一生使える「接客サービス」の教科書』(大和出版)より、お客様のニーズに気づくためのコツにを解説していきます。 職業別「平均年収」ランキング…「客室乗務員」の衝撃順位
自分から察して声をかけるコツ
CAの仕事をしていた時、「お客様に声をかけられる前に、なるべく自分から気づいて声をおかけしてね」と先輩に言われたことがあります。しかし、気をつけているつもりでも、サービスに集中していると半径2メートルくらいにしか意識がいかず、なかなかこちらから気づくことができませんでした。 ある先輩にコツを聞くと、「頭の先から爪の先まで、背中にも目がついているように神経を使って!」と言われましたが、その時の私にはピンときませんでした。他にも「特に作業をしていると没頭しがちだから気をつけて。下を向いて何かしている時は1分くらいで顔を上げるようにしてるよ」や「機内サービス時にはお客様の座っている座席2列進んだら、化粧室のあたりまで視線を向けているよ」など、先輩方それぞれ工夫しているようでした。 いろいろなコツを聞いて、なんとか意識を向けることで、だんだんとそういった行動ができるようになりました。しかし、お客様の様子を見る習慣ができても、具体的にどんな人に声をかけたらよいのか見極め方が難しいなあと悩んでいると、また別の先輩が私に「これだ!」と思うアドバイスをくれたのです。 「お客様の肩が横に動いたら何かを探しているサインだから、こちらから声をかけるといいよ」 実際にその動きをされたお客様に、「何かお手伝いしましょうか」「何かお探しですか」「何かお持ちしましょうか」とお声がけをしてみると、ほとんどが何かを必要としている場合が多かったのです。 先輩方が教えてくれた様々なコツは、「お客様のちょっとした動きにも敏感になってみて」ということだったのかもしれません。