バスケ日本代表・富永啓生「サマーリーグには参加せず、パリ五輪に全力を尽くす」
バスケットボール男子で全米大学体育協会(NCAA)1部、ネブラスカ大学を卒業した富永啓生(23歳)が運命の夏を迎える。将来のNBA入りを目標に掲げるなか、2024年夏はNBA入りへの登竜門であるサマーリーグには参加せず、パリ五輪に臨む日本代表に専念。花の都で日本バスケ界に新たな歴史を刻み、世界最高峰リーグ入りにつなげる青写真を描く。
五輪は特別なもの。パリで日本のバスケの歴史をつくりたい
2019年に海を渡り5年。2024年5月にアメリカ・ネブラスカ大学を卒業した富永啓生が、6月6日の帰国会見で断固たる決意を口にした。 会見場のディーナゲッツ愛知は少年時代に練習に打ち込んだコート。原点と言える場所で「第一優先の目標はNBA選手になること。そこはぶらさずにやりたい」と強調した。 そのうえで、2024年の夏はNBAへの登竜門であるサマーリーグには参加しない意向を表明。「日本代表に専念する。来季の所属が決まっていないので、パリ五輪で活躍してオファーを頂けたら」とイメージを膨らませた。 サマーリーグは、NBAの全30チームが参加。ドラフト指名された新人や、2~3年目の若手、下部Gリーグに所属する選手らがプレーする。日本人ではNBA選手になった田臥勇太、渡邊雄太、八村塁に加え、富樫勇樹、馬場雄大、比江島慎らもコートに立っている。 サマーリーグはNBA入りへの絶好のアピールの舞台となるが、富永は日本代表の活動を優先する。2021年東京五輪はバスケットボール3人制で出場して8強入り。“本職”の5人制でも五輪の舞台への思いは強い。 富永はレンジャー短大で2シーズン、ネブラスカ大で3シーズンプレー。大学最終学年の2023~2024年シーズンは、ネブラスカ大を10年ぶりのNCAAトーナメント進出に導いた。 「ネブラスカの最終年で一番の目標だったマーチ・マッドネス(NCAAトーナメント)に出場できたのはよかった。チームから託される存在になれたことは嬉しかった」