バスケ日本代表・富永啓生「サマーリーグには参加せず、パリ五輪に全力を尽くす」
「好きなチームはウォリアーズ。でも、キングスも自分に合うと思う」
シーズン後にはNBAのサクラメント・キングズ、ロサンゼルス・クリッパーズ、シカゴ・ブルズの練習に参加。他にも6~7クラブから練習参加のオファーが届いていたが「ワークアウト参加は日本代表合宿で日本に戻ってくるまでと決めていた」と日程的な問題で3クラブに絞った。 練習参加では「自分のストロングポイントを出せた」と手応えを得たが、2024年6月下旬のNBAドラフト前のショーケースとなるコンバインには招待されなかった。ドラフト指名は「ちょっと難しい」と自覚しており、別ルートのNBA入りを模索中。現実的にはNBA傘下のGリーグでのプレー機会を得ることなどが第一段階となる。 入団を希望するNBAチームについては「好きなチームは(ステフィン)カリー選手のいる(ゴールデンステイト)ウォリアーズだけど、ここに行きたいというこだわりはない。キングズのスタイルはトランジションからの3点シュートなど速い展開で自分に合うと思う」と語った。 富永は6月上旬に日本代表に合流。日の丸を背負うのは、アジア最上位の19位となりパリ五輪出場権を獲得した2023年夏のW杯以来約9ヵ月ぶりのこと。24人でスタートした合宿はパリ五輪本番までに12人に絞り込まれる。 2024年6月22日、23日にオーストラリアと強化試合を実施。その後、八村、渡辺の二枚看板が合流し、7月5日、7日には韓国と、7月中旬に欧州遠征に出発し、19日にはW杯王者ドイツ(ベルリン)と強化試合を行う。 五輪1次リーグは、ドイツ、フランス、そして五輪最終予選ラトビア大会の突破チームと同組。本番で対戦するチームと開幕直前にテストマッチを組む異例の強化スケジュールとなる。 富永は「五輪は特別なもの。パリで日本のバスケの歴史をつくりたい。楽しみ」と視線を上げた。外からのシュート力は世界屈指。W杯後の1年でゲームメークやフィジカル面が成長した自負もある。 身長1m88cmのサイズで世界最高峰リーグに認められるのは容易ではないが、当たり出したら止まらない3点シュートの精度に疑いの余地はない。パリで存在感を示して、夢への階段を駆け上がる。 富永啓生/Keisei Tominaga 2001年2月1日愛知県生まれ。岩成台中、桜丘高を経て、2019年に米レンジャー短大に進学。2021年にネブラスカ大に編入した。2021年東京五輪はバスケットボール3人制で8強入りに貢献。8試合に出場して全選手中6位の55得点を記録した。5人制の日本代表は2022年7月1日のW杯アジア予選オーストラリア戦でデビュー。父は2m11cmの長身で1998年世界選手権代表の啓之氏、母も元実業団選手。左利きで、ポジションはシューティングガード。身長1m88cm。
TEXT=木本新也