子どもの命を守る“最後の砦” 小児集中治療室「PICU」に密着 広い北海道に唯一の施設
(小児集中治療科 市坂有基医師)「北海道という土地がものすごく広い敷地を持っていて、国土の22%、8万4000平方キロメートルを1つの施設でカバーするという、他から見るとかなり異常な状態ではあります」 子どもの人口60万人に対して、PICUのベッド数はわずか6床。 これが、いまの北海道の小児集中治療、最大の課題です。
広大なエリアの小児医療 子どもの命を守る“最後の砦”
函館から搬送された坂見優歌ちゃんのお父さんと二人のお兄ちゃんが見舞いに訪れました。 今回はおばあちゃんの政美さんも一緒。 政美さんは初めての面会です。 (祖母・政美さん)「ちっちゃかったですね。子どもたちの医療を守ってくれる、そういう人たちがいることに感謝したいと思っています」
(父・慶明さん)「目は開いたり手が動いたりしていたので少し安心しました。函館で手術できないということだったので、札幌に(PICUが)なかったら本州ってことになる。札幌に病院があるだけですごく心強い」 すでに2回の手術を乗り越え、少しずつ体力をつけている優歌ちゃん。 次の手術に向けて体重を増やすため、いまも頑張っています。
(小児集中治療科 市坂有基医師)「PICUの中で手術をすることは基本的にはなくて、手術をして繋いでもらった命を元気にお家に帰るまでの間の期間過ごす場所。ここのPICUで治療したことが嫌な記憶じゃなくていい記憶として、本人だけじゃなくてご家族にとってもいい記憶として残るような医療看護を提供できればいいなと思っています」 広大なエリアの小児医療。 さまざまなな課題を抱えながらも子どもの命を守る「最後の砦」は、きょうもフル稼働です。