面接官「残業は可能ですか?」 子持ち転職者「難しいです。保育園のお迎えがありますので…」⇒“それでも採用される人”のお手本回答【キャリアコンサルタントが解説】
転職回数が多い、非正規だった…。面接で“弱点”を突かれたとき、どのように答えるとよいのでしょうか。1万人の転職を支援してきた中園久美子氏の著書『それでも採用される! 転職面接の受け方・答え方』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、「転職に不利」を「アピールポイント」に転換するコツを紹介します。今回は「お子さんが病気になったらどうしますか?」「残業はできそうでしょうか?」と聞かれた場合のNG回答・OK回答を見ていきましょう。
「子育て中だから…」という弱点をアピールポイントに変換
共働き世帯やひとり親世帯が増え、子育て中の人にも働いてもらいたいという企業も多くなりました。 具体的にどれくらいの時間働けるか、お子さんのことでどれくらい仕事に支障が出るのかといったことが、面接官は大変気になります。会社のために、そして自分や子供のためにどのような働き方がよいかを、現実的かつ具体的に話せる人が求められます。また、仕事の効率も見られています。いかに労働生産性があるかをアピールしましょう。
面接官:「お子さんが病気になったらどうしますか?」
■NG回答の例 「大丈夫です。うちの子供はこれまで【❶病気になったことがありません】ので。たとえ病気になったとしても、【❷近くに病院もあります】ので、心配いりません。【❸なんとかなる】と思います。」 × ❶⇒これまでそうだとしても、これからのことが言えていない × ❷⇒具体的にどのような病院か言えておらず、信ぴょう性が薄い × ❸⇒なんとかなるは、なんとかならない ---------------------------------------- <採用に近づくヒント> 自分の子供が病気になったときのことを想定でき、そういった緊急事態にもあらかじめ対処できる危機管理能力が問われています。また、突発的な事態にどうすれば仕事への影響が最小で済むか、未来予測能力も見られているといってよいでしょう。 ---------------------------------------- ■OK回答の例(1) 「はい、これまでも【(1)熱が出た場合などが何度かございました】。【(2)かかりつけの病院があります】ので、通常の場合はそこで【(3)預かっていただけます】。夫は出張が多いのですが、【(4)日頃から家事や育児にも協力的です】。子供が病気になることで【(5)ご迷惑をおかけすることもありますが】、【(6)夫だけでなく遠方の両親も応援に来てくれます】ので、大丈夫です。」 ◎ (1)⇒正直に答えており現実的 ◎ (2)⇒かかりつけの病院があることを伝え、問題ないことをアピールできている ◎ (3)⇒さらに預かってもらえることも伝えられている ◎ (4)⇒家族の協力があることで安心できる ◎ (5)⇒会社に配慮した言葉 ◎ (6)⇒ここまで言えると安心が伝わる ■OK回答の例(2) 「【(1)子供にはアレルギーがあります】ので、普段から体調に気をつけるようにしています。【(2)子供自身も発作が出たときはどの薬を飲めばよいかなどちゃんと理解しております】。【(3)学校の先生にも事情を話してあります】ので、なにかの事態にはすぐに連絡があります。これまで、【(4)子供が入院するといったことはありません】。もしものときのために、【(5)ママ友のネットワークを作っております】ので、特に仕事に支障はありませんのでご安心ください。」 ◎ (1)⇒持病を持っていることを正直に伝えている ◎ (2)⇒子どもの話から、応募者が子育てをしっかりしていることが伝わる ◎ (3)⇒先生と連携が取れていることから、仕事ができる人という印象 ◎ (4)⇒面接官の心配を払拭できている ◎ (5)⇒ここまで言えると安心が伝わる