台風10号は近畿を東進へ 東海で線状降水帯発生のおそれ 関東も激しい雨 災害警戒
熱帯低気圧に変わっても 大雨への警戒を続けて
台風10号は明日9月1日(日)の午前3時には尾鷲市の南へ進んだ後、2日(月)にかけて熱帯低気圧に変わる見通しです。ただ、台風でなくなったとしても、大雨をもたらすことに変わりはありません。台風から変わる熱帯低気圧周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、雨雲の発達しやすい状態が続くでしょう。2日(月)頃にかけても雨が続き、総雨量がさらに多くなる所がありそうです。 高速道路の通行止めや列車の運休など、交通機関への影響も長引きそうです。最新の情報をこまめにチェックしましょう。また、2日(月)から新学期が始まる学校も多いかと思いますが、通学路に危険な場所がないか改めて確認し、お子様には増水した川などに近づかないよう、お声がけください。
大雨が発生 とるべき対応は
実際に大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。 ①河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。 ②運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。 ③山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。 ④地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。 ⑤上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。
日本気象協会 本社 中川 裕美子