《年末断捨離》認知症予防にもなる“2つのメモ”で、片付けと脳トレを一緒に
脳トレしながら年末の断捨離を
片づけが苦手な人は、一度にたくさんの場所に手をつけようとせず、難易度の低いところから始めると、挫折しにくい。 「年末の大掃除で“あるある”なのが、いつかまとめて片づけようと放置していたクローゼットや書類の整理に手を出して、かえって散らかしてしまうといった失敗。この2か所は『いる、いらない』をパッと判断するのがむずかしいので、最初に手をつけると挫折しやすい。まずは、20~30分で簡単にできる場所から始めれば波に乗れます」 高橋さんのおすすめは、キッチンのカトラリーの整理。収納できるスペースも限られていて、「この箸はずいぶん前から使っているので手放そう」など判断もしやすい。 「座りながらでも短時間で断捨離できて、うまくいかなくても引き出しに戻せば必要以上に散らからないので、気も楽です」 その後は、肌着や靴下を収納している引き出しなど、少しずつアイテム数が多い場所へステップアップしていくと失敗しにくい。また、親戚など来客も増える時期なので、マストで片づける必要がある玄関から始めても。 「玄関は毎日目にする場所なので片づけに成功すれば、達成感もぐんと大きくなります。『Beforeメモ』には、『お客さんが来るので、何も出ていないすっきりとした状態にしたい』と目標を設定し、出しっぱなしの傘をしまう場所をつくったり、靴箱の上に置いたままの小物を整理していきましょう」 洗面所も絶好の片づけスポットだ。 「目標はホテルの洗面所をイメージするといいかもしれません。『来客時に石けんや歯ブラシ以外は、全部引き出しや棚の中にしまえるよう、スペースをつくる』といった具合に計画を立ててみてください」
親にすすめるなら“一緒に”がポイント
メモをつけながらの片づけに慣れてきたら、冷蔵庫やキッチン全体へと少しずつエリアを広げていこう。特に冷蔵庫は、年末年始の食材を買い込んで保管することも多いので、いまの時期から整理できていると余裕が出る。 「冷蔵庫やキッチンは、賞味期限が切れたものや使わない調味料や家電などを潔く処分し、『食材をすぐに使えるようにしたい』といった目標を立てて断捨離を」 片づけるアイテムが増えてくると難易度がグッと上がるが、片づけの基本である、いったんすべての物を出して、いる、いらないを判断し、必要な場所へ収納するという3つのステップを意識して進めよう。捨てるか残すかの判断が苦手な人は、一時的な保管場所をつくって。 「3秒以上迷ったら放り込む『一時保管ボックス』をつくりましょう。ボックスではなくゴミ袋を活用するのもよいです。半年くらいたった後に見返すと、意外と手放す決心がついているもの。ゴミの分別に注意をしつつ、大丈夫そうならそのままポイです」 また、家の中をキレイにしながら脳トレにもなると聞けば、思いつくのは高齢の親世代。ただ、高齢になるほど片づけは体力の低下がネックになりやすい。それに加え、メモをするというひと手間をハードルに感じてしまう人もいるだろう。 「親御さんにすすめるときは、ただやり方を教えるのではなく、計画を立てたほうがスムーズに片づくと伝えつつ、一緒にやってみるのがおすすめ。ここでも、断捨離しやすいカトラリーの整理から始めてみましょう。やりながら、メモを書くことで脳トレにもなる、とさりげなく伝えるのがよいと思います」 メモ作りも強制せずに、片づけだけでも十分な脳トレになることを伝えれば、モチベーションアップにもつながるはずだ。 「もちろんメモを書いてもらったほうがよいのですが、それを負担に片づけが進まないのなら本末転倒。まずはご自身でメモを活用しながら自宅を片づけて効果を実感していただき、そのうえで、年末年始の帰省の際に親御さんにもすすめてみてください」 教えてくれたのは……片づけ上手塾 代表理事。整理収納、片づけサービスの専門家として、1400軒以上の片づけられない家の問題を解決。親と自分の家を片づける「大人片づけ(R)」や脳を鍛えて家も片づく「脳ササイズ片づけトレーニング」を考案。メディア出演多数。 取材・文/オフィス三銃士