10年以上音信不通だった母から生活保護の「扶養照会」が届きました。親子関係にある以上やはり支援したほうがよいのでしょうか?
自身の両親や兄弟姉妹が生活保護の申請をしたとき、状況によっては自身を含む親族に扶養照会が実施される可能性があります。もし扶養照会されたときに、相手が長期間音信不通だと支援をするか悩む場合もあるでしょう。 扶養照会がきて支援を悩むときは、相手の状況を一度調べてみることも方法のひとつです。今回は、扶養照会の概要や音信不通だった親相手でも支援した方がよいのかなどについてご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
扶養照会とは?
生活保護では、申請をする前に原則として以下を行っている必要があります。 ●預貯金や保険の解約金、不要な家屋の売却などで資産を活用している ●就労できる状態なら働いている ●年金や児童手当など活用できる制度は申請している ●親族からサポートを受けられるなら支援してもらう(扶養義務者の扶養) そこで、自治体の担当部署では生活保護の申請を受けた際に、保護の決定のために、本当にこれらを実施しているのか調査を実施するケースがあるのです。4つ目の親族からのサポートを受けられるか調べる際に実施される調査が扶養照会です。 扶養義務者について、民法第877条第1項では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。 また、第877条第2項では「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」と定められているため、生活保護では最大3親等内の方に扶養照会が行われる可能性があるといえるでしょう。
扶養照会の内容
扶養照会がなされると、該当する方にはどこまで支援できるかや世帯構成などを尋ねる書類が送付されます。具体的な記載内容の例は、以下の通りです。 ●精神面でのサポートの可否 ●金銭面でのサポートの可否 ●各支援を始められる時期 ●具体的なサポート内容や頻度 ●金銭的サポートなら金銭や物品の送付額や程度など ●緊急連絡先 ●扶養照会された方の家族構成 ●資産状況 ●負債状況 など もし相手を支援できるのであれば、支援内容の「可」に丸をつけ、できることを記載すれば問題ありません。また、それぞれに可否を記載するところがあるので、精神面だけ、あるいは金銭面だけでのサポートも可能と考えられます。