炎の参道駆け豊漁と安全願う 富山県黒部市で生地たいまつ祭り
富山県黒部市無形民俗文化財の「生地たいまつ祭り」が、2日夜から3日未明にかけて同市生地地区で行われた。クライマックスの新治(にいはる)神社の火渡りでは、みこしを担いだ厄年の男衆が炎に包まれた参道を走り、漁の安全と豊漁を願った。 2日夜、屋形船をかたどって飾り付けた車とみこしが生地神明社を出発し、町を練り歩いて新治神社に到着した。同神社の参道ではたいまつ約300本が燃やされており、日付が変わった頃、みこしを担いだ男衆20人が参道を走り出した。神様がお立ちになるという意味の「オタッチョー」というかけ声とともに、炎と煙の中を駆け抜けた。 祭りは約570年前、暴風で遭難しかけた漁船が、新治神社のご神火を目印に生地浜に生還したという言い伝えに由来している。