ハチロクチューンのテックアートが手がけたNA8C|マツダ戦記|1995年式 ユーノス ロードスター(NA8C)
【マツダ戦記|1995年式 ユーノス ロードスター(NA8C)】 軽量なボディとFRレイアウトを武器に、軽快な走りが楽しめるロードスター。 そのフィーリングは「ファン・トゥ・ドライブ」という言葉がピッタリで、パワーやスピードといったものとは無縁の、クルマをドライブする楽しさを純粋に味わわせてくれる。 【画像18枚】オリジナルの良さを生かしつつ ファインチューンでより楽しく。BP型はオーバーホールと同時に、ヘッド&ブロックの修正研磨クランクシャフトの高回転対策などを実施。さらに、純正ECUを残しつつモーテックM4で燃調や点火時期を制御することで、パワーやフィーリングだけでなく、扱いやすさも増した しかし、いくら軽快な走りが楽しめるとはいえ、少々パワー不足を感じる人もいるはず。 ただし、ターボをドッキングして強大なパワーを狙ったり、エンジン内部にまで手を入れて乗りづらくなってしまっては、ロードスターのいい部分をスポイルしてしまうことになる。 ここで紹介する埼玉県八潮市の「テックアート」が手がけた車両は、ロードスターの走りをワンランクアップさせつつ、扱いづらさとは無縁の1台に仕上げられている。 テックアートといえば、ハチロクチューンで全国的に知られるチューニングショップ。 あの「ドリキン」こと土屋圭市さんの愛車を製作したことでも有名だ。 しかし代表の鎌田芳徳さんが「ハチロク専門店というイメージを払拭したい」ということからロードスターのチューニングにも力を入れており、実際に10年以上前にはサーキット仕様も製作していたほどなのだ。 サーキット走行と快適な街乗りを両立したロードスター そんなテックアートで製作されたロードスターは、ズバリ「サーキット走行を楽しめながら、ストリートでの快適性も犠牲にしないオールラウンダー」。 エンジン本体はノーマルながら、オーバーホールと同時にヘッド&ブロックの修正研磨とクランクシャフトの高回転対策を実施。 さらに、純正ECUを生かしたままフルコンのモーテックM4を装着し、燃調や点火時期をコントロール。 これらのメニューにより、実測146ps/18.5㎏‐mまでスペックを向上しつつ、レスポンスもアップ。 しかも、扱いやすさも十二分に備えた仕様となった。 また、インジェクター1本1本に洗浄・メンテナンスを施し、噴射量を測定したうえでマッチドさせたオリジナルのレベリングインジェクターを装着。 こちらもレスポンスアップに大きく貢献するとともに、低燃費にもつながっている。 ちなみにマフラーはフジツボのパワーゲッター、触媒はサードのスポーツキャタライザーに変更しており、車検も問題なし。 30年前のクルマのチューニングにはノウハウが重要 気持ちのいい走りを実現するためには、サスペンションも重要。 この車両は、鎌田さんがこだわってセッティングを施した「TECダンパー タイプAアラゴスタ」を装着している。 その名の通りアラゴスタをベースにした車高調キットで、構成部品やオイル、ガス圧まですべてオリジナルの仕様で製作した逸品。 バネレートは前後とも10㎏/㎜で、街乗りからワインディング、そしてサーキットまで幅広く対応してくれる、懐の深いアシに仕上がっている。 一方エクステリアは、ノーマルのスタイリングを崩すことなくライトにモディファイ。 フロントリップはガレージベリー製をチョイスし、リアにはジェットストリーム製のダックテールを装着。 そして極めつけはフェンダーで、前後とも叩き出し加工でワイド化されているのだ。 とはいえごく自然に加工されており、野暮ったさは皆無。 平成のクルマと言ってもNAロードスターは、デビューから30年も経過している。 しかしベース車の良さを崩すことなくツボを押さえたチューニングをすることで、より楽しめるライトウェイトスポーツに生まれ変わるのだ。 主要諸元 SPECIFICATIONS 1995年式 ユーノス ロードスター (NA8C) ●全長×全幅×全高(㎜) 3955×1675×1235 ●ホイールベース(㎜) 2265 ●トレッド前/後(㎜) 1405/1420 ●車両重量(㎏) 980 ●エンジン型式 BP-ZE型 ●エンジン種類 直列4気筒DOHC ●総排気量(cc) 1839 ●ボア×ストローク(㎜) 83.0×85.0 ●圧縮比9.0:1 ●最高出力(ps/rpm) 130/6500 ●最大トルク(㎏-m/rpm) 16.0/4500 ●変速比 1速3.136/2速1.888/3速1.330/4速1.000/5速0.814後退3.758 ●最終減速比 4.100 ●ステアリング ラック&ピニオン ●サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも) ●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク ●タイヤ 185/60R14(前後とも) ●発売当時価格 175.5万円
Nosweb 編集部
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