"同世代の少女"名乗る人物に「性的な画像」送る→「金払え」とゆすられて…男性も標的になる「セクストーション」の深刻被害
●「連絡先の全員に裸の画像を送るぞ」と脅されたケースも
――具体的にはどんな被害が起きたのでしょうか? オズボーン:海外に留学している高校生の男の子が、異国の地で寂しさを紛らわすため、ネットで友人を探すうちに「同年代の女の子」を称する人物と出会って、やり取りが始まったというケースがあります。 何度か会話しているうちに、彼女が「今、私、エッチな気分なの」と言い出し、立て続けに性的な画像が送り付けられて、その気にさせられました。 「これくらいなら大丈夫だろう」と自分の顔と性器が写った画像を送った瞬間、相手の言い回しが変わり、「公開されたくなければ、金を支払え」という冷酷なメッセージが届くようになりました。 彼はパニックに陥り、電子マネーを支払ってしまいました。脅せば金銭を支払うと判断した加害者がさらに要求を突き付けてきたことで、どうしようもなくなり、悩んだ末に私たちに相談してきました。 なお、加害者側に女性がいるというより、インターネット上で拾ってきた女性の画像を使って、誘導することが多いようです。 ――加害者とはどうやって知り合うことが多いのですか? 秦地:たとえばオンラインゲームです。また、外国人と友だちになりたいと思って、言語交換アプリや国際マッチングアプリなどでつながるケースもありました。 ただ、ゲームやアプリは入口にすぎず、多くの場合、被害者のフォロワーを見ることができるアプリ、例えば「Instagram」などに誘導されます。裸の写真を友人や知人に「晒すぞ」と脅すために、そのようなアプリへの友だち追加が必要不可欠なのです。 また、やりとり自体は自動翻訳機能がある「LINE」経由が多く、お金の要求も「LINE」でされることが多くなっています。 オズボーン:「Instagram」を経由しなくても、犯罪組織が作ったハッキングアプリに「もっとエッチなやりとりがしたいから、これを使いましょう」と誘導してダウンロードさせて、写真フォルダや連絡先などの情報を盗み出す被害もありました。 相手に連絡先一覧が渡ってしまうので、「連絡先の全員に裸の画像を送るぞ」とか「学校の先生に送り付けるぞ」といったメッセージと画像が送られてきて、脅されたといった被害もあります。