イチローと松井秀喜が語る“5敬遠”と“ドラ1の宿命”「一番良かったのは目の前に長嶋茂雄がいた」
今の野球は「ドラマがない」
イチロー:高校野球で言えばさ、今だったらさ、「はい、歩いてください」。あれ5回とさ、4球ずつ投げて5回とさ、全然こう・・・。 松井:ドラマ性が違いますよね。 イチロー:全然違うものじゃない。だから僕、申告敬遠、本当やめてほしいんだよね。いくつかやめてほしいうちの大きなひとつ、「申告敬遠」。もう、ネクストサークルにいる選手の気持ちとかもさ、何もないじゃない。 松井:そうなんです。あの4球見てる間に、いろいろ考えたいんですよね。 イチロー:そうでしょ。「チッキショー」と思うわけじゃない。そういう感情を想像させてくれないもん、今は。だから、ドラマがないのよね。「申告敬遠」あとは、僕は「甲子園でのタイブレーク」もやめてほしい。急に試合が変わるでしょ。 松井:そうですね。 イチロー:もちろん「MLBのタイブレーク」なんて、もってのほか。記録の価値も変わってしまうし、塁間の距離が変わっちゃったりね、ベース大きくしちゃって。 松井:そうですね、はい。 イチロー:もう触っちゃいけないことに、やっぱ触っちゃいけないのよね。今度、7イニング制にするかもとかっていう。 松井:本当ですよね。 イチロー:そんなのありえないじゃん。高校生たちに聞いたら、絶対嫌ですって言うよね。 松井:そうですよね。 イチロー:9回やりたいに決まってるじゃない、そんなの大人の事情だよね。 松井:ですよね、野球は8回、9回にね、ドラマがある。特に高校野球はね。