地域史研究の成果反映 子どもたちの郷土教育にも 「和泊町の歩み」完成
鹿児島県沖永良部島の和泊町が約3年をかけて編さんした「和泊町の歩み」がこのほど完成した。近年の地域史研究の成果を反映させ、町制80年の歴史を振り返る「行政編」を新たに追加。沖永良部島に生息する動植物などのカラー写真も多数掲載している。6日、編さん委員らから報告を受けた前登志朗町長は「子どもたちの郷土教育にもつなげていく。後世に残る素晴らしい財産ができた」と関係者へ感謝を述べた。 和泊町の歩み編さんは町制施行80周年の記念事業の一環として2021年に本格始動。1985年刊行の「和泊町誌 歴史編」を全面的に見直し、各分野の研究成果の蓄積や、行政の推移、産業の変化などを追加した。 内容は▽自然▽考古学▽中世▽近世▽近代学▽町制施行後の和泊町―の6編構成。ページの上部8割に本文、下部2割に注釈を配置し、資料として利用しやすい一冊を目指した。編さん委員の先田光演氏は「内容はもちろん書体にまでこだわり、読みやすく、理解しやすい町誌が完成した。ぜひ多くの人に活用してもらいたい」と語った。 B5判全971ページで定価4500円(税込み)。印刷製本は鹿児島市のトライ社、発行数は1千部。20日まで1冊4千円で販売する。購入申し込みは町立図書館内の編さん室で直接受け付けるほか、町ホームページからも申請できる。島外への発送も可。