カナダ中銀、2会合連続の0.5%利下げ トランプ関税の可能性に懸念
[オタワ 11日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は11日、主要政策金利を0.5%ポイント引き下げ3.25%とした。今後の利下げについてはより緩やかなペースになるという見通しを示し、成長支援に向けて継続的な金融緩和が必要という従来の方針から転換した。 0.5%ポイント利下げは広く予想されていたものの、2会合連続での大幅利下げは新型コロナのパンデミック(世界的大流行)以降で初めて。 マックレム総裁は、トランプ米次期政権が課す可能性のあるカナダの輸出品に対する関税の影響について初めて言及し、「新たな大きな不確実性」という認識を示した。 会見の冒頭、マックレム総裁は「政策金利が大幅に低下したため、経済が概ね予想通りに推移すれば、金融政策へのアプローチはより緩やかになると予想している」との認識を示した。 また、中銀は追加利下げの必要性を会合ごとに判断していくとし、金融政策がもはや明確に引き締め的な領域にある必要はないと指摘した。 政策金利は現在、経済成長を抑制せず刺激もしない、中銀が「中立金利」とみなす水準の上限に位置しているとされている。 市場では、1月にさらに0.25%ポイントの利下げが行われる可能性が70%と見込まれている。 インフレ率は現在、中銀の目標である2%に達している。マックレム総裁は経済成長の加速を望んでいると改めて強調した。 第3・四半期のカナダ経済の成長率は年率1%にとどまり、カナダ銀行の予測を下回った。第4・四半期の成長も予想よりも弱い可能性があると述べたほか、移民受け入れの削減計画により2025年の成長も予測を下回る可能性があるとした。 マックレム総裁は、移民減少や期間限定の消費税減税などの一時的な影響を精査し、根本的な傾向に焦点を当てて政策決定を導くと述べた。 今回の利下げにより、カナダ銀行は6カ月間で5回連続、計1.75%ポイントの利下げを行った。