石川祐希、出だし好調も守備で精彩欠き途中交代の厳しさ…ペルージャは怒涛の公式戦21連勝締めで伊杯4強入り!【男子バレー】
石川は、2セット目中盤までの出場で10得点(アタック8、エース1、ブロック1)を記録。マイナスの要素が続いてベンチに下がったのは、今季ここまでの公式戦21試合で初めてのことだった。途中交代の後、厳しい表情のままコートサイドで勝利を見届けた後、ファンサービスを控えてロッカールームへ早足で向かう背中を追ってバックヤードへ。様子が気になったが声をかけると、振り返った背番号14には、いつもの笑顔が戻っていた。 第1セットにエースとブロックを絡めて両チームで最多の8得点。2セット目も前半にレフトから放ったアタック2打は完璧だった。試合中の修正力に定評のある石川にとって、レセプションでの失点が続いたことは不本意だったに違いない。「攻撃が好調でサーブも走っていただけに、悔しい交代になりましたね」と伝えてインタビュー取材を始めた。 「そうですね、でも先発で出られたことはまず良かったです。1セット目をしっかり勝ち切れたのですが、2セット目のスタートで相手の良いサーブを得点にしてしまったり、そこは少し反省点かなと思います。レセプションだけが難点だったなと…。でも、ほかはこういった大事な試合でのパフォーマンスとしては悪くなかったと思っています。相手がミスを恐れずにサーブを思いきり打ってくる状況の時、(レセプションを)乱されないよう修正したいです」 「失点にだけ繋がらなければというところだったんですけど…まあ、仕方ないです」 年内最終戦での心残りは、新たな年への飛躍台となるはずだ。 同国公営放送『Rai Sport』の中継で解説を務めた元イタリア代表アンドレア・ルッケッタ氏にも話を聞くと、この日の石川をこう評価してチームの采配に言及した。 「ユウキは文句なしのパフォーマンスで試合をスタートさせていた。2セット目に守備でミスが出てしまったが、劣勢が続いた第1セットを逆転で取りきれたのは、ユウキが誰よりも活躍してくれたおかげだ。それを忘れてはいけない。もし、ペルージャがあのセットを落としていたら、試合展開が変わる可能性が十分にあったのだから。交代に関して、ペルージャはこれまでもOH3選手を上手く使い、今日のセメニウクのように替わった選手それぞれがチームのレベル維持に貢献している。ユウキも今季これまで、求めに応えて成果を残してきた。アンジェロ・ロレンツェッティ監督は、3人のコンディションや対戦相手をよく精査し、試合中も流れを注視しながら起用どころを見極めている。OHトライアングルは、まさに今季のペルージャの強みであって、選手の入れ替えをネガティブに捉える必要はない」 コッパ・イタリア準決勝のカードは、リーグ首位ペルージャ対4位ヴェローナと2位トレンティーノ対5位チヴィタノーヴァに決定。大塚達宣が所属するミラノと垂水優芽が所属するチステルナは、残念ながら4強に届かず大会を終えた。 ペルージャの2025年初戦は、日本時間1月6日午前2時30分開始予定のリーグ後半4節。無敗継続を目指して、海外初挑戦中の垂水が研鑽を積むチステルナの本拠地へ乗り込む。 取材・文●佳子S.バディアーリ