低燃費性能 低価格化…… 永遠のライバルのダイハツ VS スズキ 軽ガチバトル徹底研究【10年前の再録記事プレイバック】
■ムーヴとワゴンR、買うならどっち!?
ダイハツとスズキの一番の売れ筋がムーヴとワゴンR。ワゴンRが7月のマイチェンで30.0kmk/Lの燃費を実現したのだが、今買うならこの2車、どっちがお薦めなのか? 燃費は同等で、ノーマルエンジンの動力性能はワゴンRが少し勝る。ムーヴは実用回転域の駆動力が若干弱い。逆に走行安定性はムーヴ。前後の足まわりにボディの傾きを制御するスタビライザーを装着し、旋回時、直進時ともに安定性が高い。乗り心地は両車ともに少し硬めだ。若干ムーヴが快適だが、点数に差が生じるほどではない。 内装の質感はムーヴが勝り、後席の座り心地はワゴンR。さらにワゴンRは後席のスライドが左右独立式で、収納設備も豊富だ。ムーヴは先のマイチェンで、助手席前側のアッパーボックスを省いている。 割安感はワゴンRのFXリミテッド。エアロパーツも装着して価格は抑えた。 これらを総合的に判断すると、買い得度はワゴンRが勝る。 ただしムーヴの安心感が伴う運転感覚はかなり魅力的。特にクルマ好きのユーザー、あるいはバイパスの通行など高速走行の多い使われ方では、動力性能の不満が伴うもののムーヴの価値が際立つ。用途に応じて選び分けたい。 (TEXT/渡辺陽一郎)
■ダイハツとスズキの販売合戦、その熾烈な最前線のいまは?
スズキとダイハツの販売台数差が接近してきた。2013年1~7月の累計では、ダイハツが上まわるもののその差は2.7万台。2012年の7.6万台差に比べると大幅に縮まった。 要因はスズキがワゴンRを昨年9月一新してスペーシアも今年3月に投入したこと。ダイハツもタントのフルモデルチェンジを今年10月に前倒しする。 それでもスズキが8~12月にかけて、1カ月にダイハツを6000台上まわれば逆転が可能。クルマに詳しくないユーザーは「販売首位」の安心感で購入を決めることも多いため、ダイハツは今の首位の座を死守せねばならない。そのため、ディーラーオプションのサービス、値引きなどが拡大している。 ただし、ダイハツは工場の稼働率を優先してミライースの在庫が増え、販売会社が届け出を行なって「未使用中古車」に卸していた時期があった。そのため、中古車価格が値崩れを起こし、下取り査定額も低下した事態が起こっている。これらも販売台数に含まれるので、統計数字はアテにしにくい面がある。 いっぽうで、スズキも一時期は販売が下降していた。その要因はホンダの追い上げもある。とはいえ、スズキは再び販売首位を狙う動きが見られ、今後はダイハツとの販売合戦がさらに激しくなるはずだ。