低燃費性能 低価格化…… 永遠のライバルのダイハツ VS スズキ 軽ガチバトル徹底研究【10年前の再録記事プレイバック】
■価格の戦い
手頃な価格が魅力の軽自動車だが低価格化でも両社はしのぎを削っている。スズキのアルトは現行型がバンで67万7250円~という価格を設定。 これに対してダイハツのミラバンの価格は72万円~となる。アルトバンのほうが安いわけだが、現在ミラシリーズの主力はミライースとなっていて、そのミライースは今回のマイチェンで5万円値下げを実施。ミライースの価格は74万5000円~となっていて、ライバルのアルトエコより15万5000円も安い価格から選べるようになっている。 一番売れ筋のムーヴとワゴンRも低価格化で販売台数アップを狙っている。 ムーヴは昨年のマイチェンで大幅改良しながら最大5万円の値下げを実施し、107万円~の価格を設定。いっぽうのワゴンRは今年7月のマイチェンでエントリーモデルが約1万円値下げされ、109万9350円~となっている。
■技術の戦い
技術面の戦いも熱い!ダイハツが2011年登場のミライースで「e:Sテクノロジー」を採用して低燃費化を大幅に進めると、スズキは昨年「グリーンテクノロジー」を投入した新型ワゴンRで燃費性能が一気に向上。 その次は自動ブレーキの対決だ。昨年12月のマイチェンでムーヴが「スマートアシスト」を5万円という低価格で設定したところ、スズキは今年7月のワゴンR改良時に「レーダーブレーキサポート」をさらに安い4万2000円で設定。 両者とも軽自動車メーカーとして「他社には絶対に負けられない」という意地の戦いを見せている。
■カテゴリー別軽燃費対決、どっちのメーカーが上か?
今、激戦の燃費バトルでトップに立つ軽自動車はダイハツ車か?スズキ車?それとも他のメーカーの車種か?ジャンル別のトップ5を挙げて、燃費で勝っているのはどちらのメーカなのかを見ていこう! ●軽セダン系 ダイハツとスズキが突出した低燃費モデルで競い合っているのが、この背が高くないタイプのセダンクラス。というわけで、ここはダイハツとスズキの一騎打ちとなるわけだが、今回マイチェンしたミライースがアルトエコに0.4kmk/Lの差を付け、軽ナンバー1に返り咲いた。 そうなると、今後はスズキも黙ってはいないだろうが、全ジャンルで燃費トップを狙うといわれているホンダの動きも注目したいところ。なお、ミライースが叩き出した33.4kmk/Lが、各社開発陣の燃費目標となるのは間違いない。 ●軽ハイトワゴン 人気の軽自動車でも最も売れているのがハイトワゴンクラスだ。少し前まではムーヴとワゴンRの争いだったが、今年6月に発売した日産デイズ/三菱eKワゴンがムーヴを超える29.2km/Lを達成し、クラストップに。しかし、そのわずか1カ月後に"エネチャージ"のワゴンRが改良によって30.0kmk/Lをマークしてトップの座に立った。もともと激戦のクラスではあっただけに、燃費性能も抜きつ抜かれつ状態だが、現在はスズキが一歩リード。 ●軽スーパーハイト 全高1700mm以上の軽ワゴンクラス。ボディが大きいぶん、重量や空力で燃費性能には不利なクラスだが、ハイトワゴンに並ぶ売れ筋だけに、低燃費化にも力が入っている。現在のトップはスペーシア。ライバルのタントに4.0km/L、N-BOXには4.8km/Lの大差をつけている。ここでもスズキがダイハツを抑えて圧勝だ。 ●軽1BOXタイプ 表の数値を見てのとおり、ほかのカテゴリーと比べて燃費がよくないのがこの1BOXタイプ。車種も現在は少なく4車種だけという状態だ。しかも、ダイハツとスズキの両社もここでは燃費に力を入れてないのか、ホンダのバモスとホビオにトップを許してしまっている状況。エブリイ、アトレーともに14.4km/Lで両社引き分けだ。 ●軽ターボ車 最後はノンターボ車の燃費数値の陰に隠れて、あまり目立たないターボエンジン車のカテゴリー。結果を見てのとおり燃費は意外と接戦だ。ただ、1位は今年のマイチェンでさらに若干燃費を伸ばした27.0km/LのワゴンRスティングレー、2位は26.0km/Lのスペーシアとスペーシアカスタムと、スズキが上位3車までを独占。ダイハツのムーヴカスタムは25.2km/Lとスズキ勢より若干落ちる。