絶対女王與那嶺が7度目のタイトル!男子U23は寺田が勝ちパターンで制す|全日本選手権
絶対女王與那嶺が7度目のタイトル!男子U23は寺田が勝ちパターンで制す|全日本選手権
6月22日(土)、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで全日本自転車競技選手権大会ロードレースの男子U23と女子エリート+女子U23が開催された。 前日の荒天から一転し、当日は晴天に恵まれ、夏の暑さも感じられる中でのレールとなった。女子エリートでは與那嶺恵理(ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)が木下友梨菜(ベルマーレレーシングチーム)とのマッチスプリントを制し、7度目のタイトルを獲得。女子U23では、エリートでも3位に入賞した石田唯(早稲田大学)がタイムトライアルと合わせて2冠を達成。男子U23では、寺田吉騎(シマノレーシングチーム)が勝ちパターンのロングスパートを決めて優勝した。
男子U23 – 地元静岡出身の寺田が得意なロングスパートで勝利
ロードレースは、タイムトライアルとは異なり、日本競輪養成所の敷地内を通る1周8kmのコースで行われ、男子U23はこのコースを14周する112kmのレースとなった。 スタートラインには、昨年の覇者であり、TTとの2冠が期待されるの鎌田晃輝(JCLチームUKYO)を先頭に、昨年2位の津田悠義(NIPPO・EF・マルティーグ)、昨年のTT覇者で現在JプロツアーのU23リーダーである寺田吉騎(シマノレーシングチーム)など、注目選手を含む総勢121名が並び、8時にレースがスタート。 スタート後はアタック合戦とはならず、遅れる選手もほとんど出ずに、集団は一塊のまま進行。山里一心(早稲田大学)が少し飛び出した状態でレースは2周目に入っていく。 2周目には集団から動く選手も出てきて、林伶音(アヴニールサイクリング山梨)と矢萩悠也(京都産業大学)が集団から飛び出すもののすぐに吸収。しかし、3周目に岡崎一輝(マトリックスパワータグ)、佐藤光(チームサイクラーズ・スネル)、菅原聡(アヴニールサイクリング山梨)、渡辺一気と山田潤(ともに京都産業大学)、清水稜太郎(明治国際医療大学)という比較的強力な6名の逃げが形成された。 集団からは藤本怜(日本大学)と池田悠生(日本体育大学)がブリッジをかけるべく追走するが、集団から30秒ほど飛び出したにとどまり、ペースが上がった集団に吸収。 逃げと集団のタイム差は最大で1分半まで広がったが、先頭は岡崎や佐藤が飛び出す場面も多く、協調が取れているとは見えない状態が続き、集団とのタイム差も縮まったり開いたりを繰り返した。 レースが動いたのは8周目だった。津田らのペースアップにより逃げを一気に吸収。 そして、9周目には津田のチームメイトである島崎将男(NIPPO・EF・マルティーグ)がアタック。 この動きを普段Jプロツアーでは同じチームで走る佐藤愛祈(弱虫ペダルサイクリングチーム)がフォローし、集団までは1分のタイム差をつけるものの、佐藤愛祈は島崎についていくことができずドロップ。 集団からは追走をかける動きで、序盤の逃げにも乗った佐藤光が再びアタック。 この動きが呼び水になったのか、ペースアップにより集団はかなり人数を減らした。11周目には追走の佐藤光と逃げの島崎を吸収し、13名の集団が形成され、さらに佐藤光の揺さぶりなどにより12周目には以下の7名に絞り込まれた。 ここからは決定的なアタックなどは決まらず、一時期、宇田川や森田が遅れかけた場面もあったが、この7名のまま最後の勝負へ。そしてここで勝負を決めたのは寺田だった。ゴール前のけん制がかかったゴールへの登りで得意のロングスパートを仕掛けると、ロングスパートに対応できる選手はおらず、寺田は後ろに3秒の差をつけてゴールへ飛び込んだ。 2位争いのスプリントでは鎌田が先着し、3位には松井が入った。 寺田は「優勝だけを目指して走っていた。有力選手が行ったら追いかけて粘って自分の得意な展開に持ち込めた」と語った。 寺田は地元静岡県出身の22歳。高校卒業後フランスで活動し、昨年シマノに入り、全日本選手権U23タイムトライアルでチャンピオンに輝いた。今年はシーズン序盤からJプロツアー志布志クリテリウム、富士クリテウムチャンピオンシップ、西日本チャレンジサイクルロードレースなどで勝利を量産。ツアー・オブ・ジャパンではポイント賞を獲得したもの記憶に新しい。昨年の国体スクラッチチャンピオンという経歴を持つ寺田の次なる目標は、9月の全日本トラック。「トラックでも活躍してナショナルチームに入り、オリンピックを目指したい」と今後の目標も語ってくれた。