「リアルな話をすると…」酒井高徳の答が意外すぎてびっくり。サッカーが遊びから仕事に変わったタイミングは?
約10秒間の沈黙後、口にした言葉は?
フットボーラー=仕事という観点から、選手の本音を聞き出す企画だ。子どもたちの憧れであるプロフットボーラーは、実は不安定で過酷な職業でもあり、そうした側面から見えてくる現実も伝えたい。今回は【職業:プロフットボーラー】酒井高徳編のパート1だ(パート5まで続く)。 【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「 J歴代ベスト11」を一挙公開! ――――――◆―――――◆―――――― Jリーガーの平均引退年齢は26歳と言われる。成功者はいわばひと握りで、結果を出せないまま現役を退く選手のほうが多い。そんな不安定で過酷な仕事を、それでもやり続けるのはなぜか。その答を探るべく、ヴィッセル神戸在籍の酒井高徳選手に取材依頼をしてみた。 酒井選手を“指名”した理由はもちろんある。彼がかつて日本代表に招集されていた時代、そこでのプレーはもちろんミックスゾーンでの対応もまさにプロフェッショナルだったのだ。 何を訊いても嫌な顔をせず、真摯に答える。簡単そうでなかなかできない振る舞いを、酒井選手は当たり前のようにやっていた。だからこそ、「今回も酒井選手なら」との想いでオファーをしたのである。 そしてインタビュー当日、早速「『職業:プロフットボーラー』と聞いて、思うことは?」と訊くと、酒井選手はふっと笑みを浮かべながら「えー、考えたことないなあ」と答えた。 「サッカー選手として思うことですよね?」 酒井選手にそう逆質問されたが、ここで素直に「はい」とは言わない。あくまで「“職業”という意味で」と念押しする。すると、酒井選手はゆっくりと語りはじめた。 「選手それぞれの生い立ちがある中で、職業の捉え方は変わってきます。ただ単純にサッカーが好きで、その感覚でお金を稼いでいる選手もいれば、例えばアフリカ人選手のように貧しい国から出てきて自分の家族を裕福にしたい目的で頑張っている人もいます。様々な背景があるので、一概にこれっていう答はないかな。強いて言うならその人の夢を叶えるための職業、そんな感じの捉え方はしています」 この答を聞いた瞬間、酒井選手にインタビューして正解だと思った。素っ気ないひと言ではなく、質問の意図をしっかりと汲み取っての回答。この男、やはりプロフェッショナルである。そう確信したところで、次の質問に移る。 「サッカーが遊びから仕事に変わった瞬間は?」 酒井選手は「う~ん」と言った後、約10秒間も沈黙。その後、意外な言葉を口にする。 「リアルな話をすると、神戸に来たタイミングかなという感じです。もしかすると聞こえが悪いかもしれないですが」 てっきり中学か高校生の時かと思っていたから、反射的に「えーーー」と声を出してしまった。落ち着きを取り戻したところで、酒井選手の声に耳を傾ける。 「神戸に来る前は、ヨーロッパで長くやっていました。ドイツの2クラブでいろんな経験をしながら、いつかはビッグクラブにという志を持ってサッカーをしていたんです。純粋に夢を追いかけるというか、良い選手になりたいと意気込んでいました」
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