資生堂、純利益が99.9%減 早期退職費用など響く24年1~6月期
下期は中国で「シセイドウ」をテコ入れ
下期は、足元が厳しい中国市場の対応を急ぐ。中国事業で売り上げ構成比の高い「シセイドウ」は、次なるヒーロープロダクトの積極的な開発と戦略マーケティングを強化し、ブランドのテコ入れを図る。主力エイジングケアライン“バイタルパーフェクション”と最高シリーズ高峰シリーズ“フューチャーソリューション LX”のリニューアルに加え、“エッセンス スキングロウ ファンデーション”の発売を予定する。「持続的な成長のために、トラベルリテール市場にも目を配り、過度な価格競争の波に飲まれ悪循環に陥らないよう、バランスに気をつけたマーケティングなどを実施する」(廣藤CFO)。
インバウンドに関しては、資生堂ジャパンが7月に発足したインバウンド専用チーム“ツーリストマーケティングチーム”と、資生堂トラベルリテール、中国とその他アジア地域が連携し、日本から世界への情報発信の強化を図る。また、デジタルの投資強化や、戦略的M&Aの検討も進める。インドや中東などの新興市場への展開も強める。「現地法人の設立が完了したことで、より積極的な投資による高い成長の実現を目指す」(藤原憲太郎COO)。
11月には、中国消費の減速やリスクの顕在化といった課題に対し、新たな経営戦略を発表する予定だ。全社を挙げて、ブランドポートフォリオの再構築やAIを活用した開発、グローバル体制の見直しなどを行う。藤原COOは、「資産の選択と集中を進め、キャッシュフローも意識した経営オペレーションの組織浸透を図る」と意気込む。