<WBC速報>侍Jが延長タイブレークでオランダとの死闘を制す
WBCの2次ラウンドプールEのオランダ対日本が12日、東京ドームで行われ、日本が8-6でオランダとの延長タイブレークにもつれこむ死闘を制した。1点リードで迎えた9回に起用した則本(楽天)が同点に追いつかれて試合は延長戦へ。大会特別規定により延長11回から無死一、二塁から始まるタイブレークに突入。日本はバントで二、三塁に進めてから、中田翔(日ハム)がレフト前へ2点タイムリー。これが決勝点となり、2次ラウンド最大の山場を乗り越えた。明後日(14日)のキューバ戦に勝てばアメリカでの準決勝進出に大きく前進することになる。 バンデンハーク対策。それが打順変更に現れた。「一晩考えて練り直したい」。小久保監督が語っていた戦略である。1番に「三塁・田中(広島)」、DHの山田(ヤクルト)を7番に下げ、8番に足のある秋山(西武)を中堅で初スタメンさせた。狙いは、ずばり機動力を使った揺さぶりである。 新打線が機能した。2回、先頭の中田(日ハム)がカーブに反応して三塁線を破る二塁打。続く坂本(巨人)が一発でバントを決めて一死三塁。まだ序盤だが、1点勝負と読んだのか、最強布陣のオランダ内野陣はバックホーム体制をとる。山田が四球で歩き秋山。山田がつかさず盗塁を決め、併殺を消しておいてから秋山がレフトへ犠飛。「打ったのは、まっすぐ。チャンスだったので食らいついた。点になるバッティングができてよかったです」。待望の先取点を奪う。 一方、日本先発の石川(ロッテ)は、二回二死まで完璧だったが、6番のスクープに片手でレフトスタンドへ同点ソロを浴びた。昨季はオリオールズでキャリアハイの25本。大砲ではないがパワーはダテでじゃない。しかし、日本は3回にすぐさま反撃。一死から菊池(広島)が三塁内野安打。続く青木の打席で二盗を成功させバンデンハークに揺さぶりにかかる。青木の三塁線を襲った打球は好捕されたが内野安打となって一、二塁と、チャンスは広がった。筒香(横浜DeNA)は三振に倒れたが、中田がレフトへ高く舞い上がる3戦連発の勝ち越し3ラン。さらに二死一、二塁から秋山にタイムリーが出てバンデンハークに引導を渡した。 しかし、これで試合が決まらないのがWBCの怖さだ。その裏、オランダが4点差を追いつく。一死二塁からシモンズが右前タイムリー。さらにボカーツの右犠飛などで1点を追加、二死一塁からバレンティンがレフトポールにライナーでぶつける同点2ランを放ったのだ。