ラーメンに「1000円以上」払えるか、いまラーメン店が「岐路」に立たされていた…!
ラーメン店の倒産件数が過去最多に
ラーメン店の倒産が急増し、倒産件数が前年度比の約2.7倍にもなって過去最多を記録したという。 【マンガ】フィンランド人が「日本のラーメン」を食べてド肝を抜かれた…! 東京商工リサーチによれば、2023年度の期間で負債1000万円以上のラーメン店倒産が63件発生したそうで、これは2022年度の23件と比較すると約2.7倍にあたる数字。さらに、かつての最多だった2013年度の42件を大幅に上回る結果となっているのだ。 同社は円安やウクライナ情勢などを背景に、小麦をはじめとする原材料価格の高騰や光熱費の上昇、人手不足に伴う人件費高騰が著しく、急激なコスト上昇に見舞われていることが原因だと分析している。 今、ラーメン店業界で何が起きているのか? 今回はラーメン店の相次ぐ倒産の理由や、ラーメン業界の最新の動向について、プライシングスタジオ代表取締役社長・高橋嘉尋氏に分析・解説していただいた(以下、「」内は高橋氏のコメント)。
無理して薄利な商売を続けてしまう
ラーメン店の倒産が相次ぐ要因は、「1000円の壁」という問題が大きく関係してくるという。 「個人店の多いラーメン業界では、従来多くの店が他店との競争のために、1杯あたりの価格が1000円を超えないように調整してきました。これを『1000円の壁』問題と呼びますが、東京商工リサーチが指摘するコスト増によって、他店に負けじと価格競争を続けたり、自店のポリシーを曲げずに低価格で勝負したりする店は、おのずと経営が困難な状況に陥っているのです。 つまり、原材料費や人件費が上がっているにもかかわらず、多くのラーメン店がこれ以上値上げすると客足が遠のいてしまうという思い込みに囚われ、『1000円の壁』を超えないようにと、無理して薄利な経営を続けようとしてしまっているのです」
1000円のラーメンは高いのか
1杯1000円以上を払ってでも美味しいラーメンを食べたいと考える顧客層もいるものの、現実的に1000円を超えると「高い」と感じる層が多いのも事実で、店側も上げるに上げられない事情があるのではないだろうか。価格とコストの板挟みとなり、結果として店を畳まざるを得なくなっているのかもしれない。 だが実際には、「1000円の壁」を突き破って成功しているラーメン店も少なくないようだ。