ガソリンは長期間経つと劣化する。

近年はクルマの燃費性能が大きく向上しているため、ガソリンを給油する頻度も以前と比べて減少傾向にあるようです。給油の機会が減るのはありがたいことですが、ひとつ気になるのがガソリンの“鮮度”です。一般的な食品のように、ガソリンにも消費期限が存在するのでしょうか？ 【この記事に関する画像を見る】

ガソリンに消費期限はあるの？

結論から言えば、ガソリンそのものに明確な消費期限は設定されていません。 石油元売り大手のエネオスの公式HPには「燃料油に関して、品質保持期限（保証期間）を設けておりません」との記載が見られます。しかし、当然のことながらガソリンは時間とともに劣化するため、半永久的に使用できるわけではありません。 ガソリンには「アルケン」という物質が含まれており、空気中の酸素と交わることで蟻酸や酢酸へと変化します。そうすると、ガソリンは本来のオレンジ色から茶色に変化し、さらには刺激臭も発生します。また、水分が揮発することによって粘り気も生じます。 こうしたガソリンはいわゆる「腐っている」状態であり、使用するべきではありません。 クルマのタンクにも一定の空気が流入するため、基本的には時間とともに酸化が進みます。ただ、こうした状態になるまでには、少なくとも半年以上の歳月が必要と言われています。 つまり、よほど保管環境が悪くない限りは、半年程度であればクルマのタンクに入れたままにしておいても問題はないでしょう。

ガソリンはこまめに給油するのが吉！

一方、年単位でガソリンを入れたままにしている場合は、ガソリンが劣化している可能性が高いため注意が必要です。 劣化したガソリンは燃焼性が低下するため、クルマが本来の性能を発揮できなかったり、あるいはそもそもエンジンが始動しなかったりする可能性があります。 そのため、前回の給油から1年以上が経過したクルマのエンジンを始動する場合には、新しいガソリンを継ぎ足す、もしくは新しいガソリンに交換することも検討しましょう。 また、一般的にはガソリン添加剤（劣化防止剤）を利用することも効果的とされています。 複数のクルマを所有しているユーザーの場合、燃費性能の優れたクルマに乗ると、クルマの燃費性能向上にともない、おのずとガソリンを給油する頻度も減ることになります。 しかし、古いガソリンを使用することはあまり好ましくはありません。最後の給油から何年も経っている場合は、ガソリンスタンドなどに相談して古いガソリンを抜いてもらうようにしましょう。 もしくは、給油したガソリンが古くならないよう、こまめにクルマを動かし、その度にガソリンを継ぎ足すことも1つの方法です。