日本の自動車メーカー、本当に「14社」も必要? ホンダ×日産経営統合が示す、希望ある再編の未来とは
再編の必然性と選択肢
今後は、2025年1月をめどに三菱自が経営統合の検討結果を出し、6月に最終合意、2026年8月に持ち株会社の上場を目指すとのことである。ホンダと日産が経営統合すると、トヨタ、フォルクスワーゲンにつづいて販売台数世界3位のグループの誕生となるという。今や、自動車メーカーの再編(グループ化・マルチブランド化)は、100年に一度ともいわれている自動車業界の変革期において必然といえるかもしれない。 また、日本の自動車産業が持続的に成長するために、プラットフォームや部品の共通化などを通じたコスト削減による価格競争力の維持や、付加価値の高い自動車を生み出すためにより大きな経営資源の投入が欠かせない。自動車メーカーの再編は、スケールメリットが得られる選択肢のひとつともいえよう。 もちろん、自動車メーカーの経営統合は、あくまでもスタートラインでありゴールではない。複数の異なる企業文化の会社が、これまでライバル関係にあった会社が手を結ぶのだ。自動車メーカーの従業員のみならず、関連する企業にとっても決して平坦な道ではないだろう。しかも、その険しい道を乗り越えて、経営統合の果実を得るのは数年先のこととなる。 国内に14社もの自動車メーカーが存在するのは多いのではないかという冒頭の意見には、市場の縮小や非効率性の観点から一定の妥当性がある。一方で、メーカーの多様性が日本の競争力を支えているという反論もある。 経営統合に関する記者会見で、ホンダの三部社長は 「2030年を見据えたら、開発期間を含め今の判断が重要になる」 と語っている。そこは、経営者としてのひとつの決断だろう。あなたなら、今回のホンダと日産の経営統合を含め、日本の自動車メーカー再編をどう考えるだろうか。
小田坂真理雄(国際トラフィックライター)