【グリーンノベーション】「グリーン」と「イノベーション」を融合 アウディ環境財団の取り組み
インゴルシュタット発
アウディ環境財団は、環境保護に直接貢献する革新的な技術、または既存の研究や経済の取り組みを環境に優しく改良する技術を「グリーンノベーション」と定義している。 【写真】アウディのeトロンシリーズをみる (138枚) 2009年に財団は持続可能な環境のための科学的かつ技術的なプロジェクトを立ち上げ、環境教育を推進し、あらゆる年齢層における自然資源保護活動を促進してきた。 天体物理学教授ハラルド・レッシュ(Harald Lesch)と時間専門家ヨナス・ガイスラー(Jonas Geissler)を迎えたディスカッションの夜、財団は最初の15年間の活動を、約300名のゲストと共にインゴルシュタット文化センターで振り返ったという。 ゲストには、アウディ生産および物流担当取締役であり、アウディ環境財団評議会の議長を務めるゲルド・ウォーカー(Gerd Walker)や、元スキー選手で評議会メンバーでもあるフェリックス・ノイロイター(Felix Neureuther)もいた。 「人為的な気候変動の結果はよく知られており、気候変動の進行を遅らせるために何をするべきかも明らかです。私たちは現在の経済や価値観に対する理解を根本的に見直す必要があります。 どんな人もその一翼を担うことができ、それを促し、自然資源を守り、未来に価値ある貢献をするイノベーションとトピックスを提示したいと考えています」と、アウディ環境財団ディレクター リューディガー・レックナーゲル(Rudiger Recknagel)は述べ、「環境保護は時間との闘いです」という。
アウディ環境財団
アウディ環境財団は、2009年にオークの森林プロジェクトから活動を開始した。 ミュンヘン工科大学が主導するこの100年の研究プロジェクトは、CO2貯留能力を最大化するために、オークの木をどのように植えるべきかを調査している。財団は、アウディの生産拠点の近くに合計6つのオーク林の植樹する活動に資金を提供、オークの木はCO2の貯蔵能力が高いことで知られているが、同心円状に異なる間隔で植えられ、その後も継続的にモニタリングされているという。 アウディ環境財団の初期の活動は、種の保存や生物多様性の保護に向けた小規模な地域プロジェクトが中心であったが、現在はバイエルン州やドイツを越える範囲にまで拡大していると彼らは語る。 アウディ環境財団は、環境保護や技術を用いた解決策の研究に取り組む世界中の大学や非営利団体などのパートナーと協力しており、「グリーン」と「イノベーション」を融合した「グリーンノベーション」という言葉を生み出し、革新的技術と環境保護の相互作用を表現する。 事例の一つが、アーバンフィルターだ。このプロジェクトでは、財団がベルリン工科大学と協力して、最新のインテリジェントフィルターモジュールを開発し、雨水排水溝用のフィルターを作成。 アーバンフィルターは、タイヤ摩耗粉、タバコの吸い殻、清掃時のゴミ、コーヒーカップのふたなど、環境に有害な物質が下水道や水域に流れ込むのを防ぐ役割を果たし、実験室のテストでは、大雨時でもフィルターが非常に効果的であることが確認されている。