「太り過ぎやん!」格闘家・石井慧がパリ五輪柔道代表「斉藤立」に喝 恩師の息子にあえてNGを出した背景とは
オレは(腕が)折れる方を選ぶ
石井 ビックリしたよ、敗復(=敗者復活戦)。十字なんて取られる? ビックリしたもん、オレ。 ドンマイ 精神的にも回復してなかったんか分からないですけど……。 石井 いや、でも、十字なんて取られてたら……。 ドンマイ 斉藤選手、それで銅メダルも取れなくて次の日が団体戦だったんですよ。団体戦の1発目に出て負けたんですよ。 石井 なんで、それで決勝使うの? ドンマイ やっぱり、桂治先輩も「男見せろ!」みたいな感じで。記事で見ました。 石井 でも、男見せろって言うんやったら、もうちょっと怒った方いいんじゃない? 立は鈴木監督から、「何のために来たんだ。お前、このままでいいのか。ここで死ぬ気でやるんだ。斉藤先生(仁氏)が見ていたら絶対にそう言っていた」と喝を入れられたと、団体混合戦後のインタビューで明かしている。 ドンマイ たぶん、めっちゃ怒ったと思います(略)。結果的に銀メダルだったんでスッキリ……。 石井 いや、スッキリはしないよ。そこは、ダメですよね。斉藤先生が、オレの経験からして、もし、オレが同じ立場だったら、敗者復活で腕十字取られて「参った」したやん? ドンマイ 「参った」しました。 石井 殺されてるけどね。オレは折れる方を選ぶ。 ドンマイ (爆笑) 死ぬぐらいだったら。 石井 折れる方選ぶもん。 物騒なワードを連発しているが、石井がいかに仁氏を恐れていたかがうかがえる。そして、立の会見やテレビ番組での態度などに苦言が続く。 石井 ヘラヘラしたらダメだ。ピースしたら。 ドンマイ 重いっす。先輩が北京で銀メダルで帰って来たら……一生、引きずるっすよね? 石井 引きずる。 ドンマイ まだ引きずってるでしょ? 16年経っても。 石井 引きずる。「なんで銀なんや」って。 ドンマイ 重過ぎるわ。21歳で金獲ってそのまま柔道を辞めた人の言葉重過ぎます。 「石井は史上最強の柔道家と呼ばれた木村政彦氏の『3倍努力』をモットーに、質の高い猛練習を繰り返して五輪に臨み、金メダルをとって仁氏に恩返しを果たしました。本来なら、鈴木監督や石井と同じように、仁氏が立を鍛えていたはずですが、立が中学1年の時に仁氏は天国に旅立ってしまいました。最も鬼になれる存在が、物心ついた時にはいなかったわけで、そこは同情するのですが……」(同前) おおむね、各メディアの記事も立の戦いぶりに関して批判的な論調や厳しい意見などはなく、まるで立に関するネガティブな記事がタブーとなっているような空気が漂う中での石井の発言に、溜飲を下げた柔道ファンもいるのではないか。だが、 「この動画は、9月5日までに56万回も再生されていますが、なぜか、主要媒体はどこも記事にしていません。特にスポーツ紙やスポーツ系のメディアは、今後の影響を危惧し、他社の出方をうかがっていましたが、結局、どこも記事にせず。そのうち、五輪の熱狂も冷め、記事化のタイミングを逃してしまったのです。柔道の普及や発展が目的で、国内の大会にも出場しているドンマイだけに、しかるべきところから動画についてなんらかのクレームがあってもおかしくないのですが、石井はもう柔道界に身を置いていないので、完全にスルーしているようです。とはいえ、石井が仁氏の弟子ではなく、立とまったく関係ない間柄だったら、ここまで愛のムチを振るうこともなかったと思います。石井にすれば師匠愛ゆえの苦言だったのではないでしょうか」(同前)
デイリー新潮編集部
新潮社