「令和の米騒動」「晒し投げの衝撃」中日人気復活の一方で、球団ワースト3年連続最下位…今こそ立浪ドラゴンズを振り返る
井上一樹新監督の人物像とは
村瀬:来季は、今季の二軍監督を務めた井上一樹さんが就任することになりました。井上さんはコミュニケーション能力が高いように伺えます。ウエスタン・リーグでは2位と、ファームでもちゃんと結果を出しているからね。選手一人ひとりと、とことん向き合って引っ張っていく熱のある人らしいですしね。そういう意味では、3年連続最下位のチームを浮上させる指揮官としては理想的じゃないかと思います。 長谷川:そういえば井上さんのことで思い出したんだけど、彼は2019年に本を出しているんですよ。本屋で見つけた時に思わず買っちゃったんだけど、その理由はタイトルが『井上一樹自伝 嗚呼、野球人生紙一重』。読者心理をズバリと突かれて、買わされちゃったの(笑) 表紙もちょっとくだけた感じで、ピンク色で本人の顔のイラストをアップにしたやつ。俺、その自虐性も含めていい人だなぁと思ったんだよね。 村瀬:あ、わかる!俺も読んだ。あれは買っちゃいますね。冷や汗をかく井上一樹のドアップと、帯に「俺みたいな男の本、誰も読まんわ!」って書いてあった(笑) 長谷川:弱いチームを引き受ける監督って、誰もなり手がいないなかで、どうしても貧乏くじというか火中の栗を拾うみたいなところがあります。外部招聘が難しいタイミングで二軍監督を昇格させるのは王道の流れですし、井上さんは二軍監督としてずっと今の若い選手を見てきた。立浪さんから井上さんへのバトンタッチはいい結果を生むんじゃないでしょうか。 ………… 【つづきを読む】《第2回》『あまりに不運だった西武・松井稼頭央「王道キャリア」での監督就任だったはずが…スーパースターの「悲しき去り際」』 はせがわ・しょういち/'70年、東京都生まれ。'03年に独立。近著に『海を渡る サムライたちの球跡』『プロ野球アウトロー列伝 異端の男たち』など むらせ・ひでのぶ/'75年、神奈川県生まれ。'00年よりライターとして活動。著書に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』など
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