報道陣の取材に応じる井上２軍監督

　中日の井上一樹2軍監督（53）が3日、ナゴヤ球場で取材対応し、球団から来季の1軍監督就任のオファーを受けたことを明かした。井上2軍監督は「まだ1軍のスケジュールが残っている。決意が固まったあかつきにお答えしようと思います」とも話し、1軍の全日程終了後に球団に返答するとした。 　来季のドラゴンズの監督人事に大きな動きがあった。この日、ファームの練習でナゴヤ球場に訪れていた井上2軍監督が静かに口を開いた。 　「要請がありました、ということです。それに対して正式にお受けします、お断りしますという返事はまだしていないということで、要請がありましたということは事実です」。球団から来季の1軍監督への就任要請があったことを認めた。 　ただ、ファームの日程は終了しているものの、1軍は4日から本拠地・バンテリンドームナゴヤでDeNAとの3連戦を控えている。「まだ1軍のスケジュールが残っている。返事はそれが終わってからでしょうね。最大限にリスペクトする立浪監督が、最後まで試合をやるにあたって気持ち良く、気分を害することが一番のご迷惑になること。それは避けたい。あまり過剰になって騒がないでほしい」と気遣いをみせた。その上で、球団に返事をするタイミングについては、「そんなに待たすこともできないけど、シーズンが終わってからですね。決意が固まったあかつきにお答えしようと思います」と話した。 　選手時代はドラゴンズ一筋。1999年のセ・リーグ優勝のときには主力として当時の星野仙一監督を胴上げした。それから四半世紀。今、チームは低迷し、まだ発展途上といえる段階だ。井上2軍監督は「（監督は）誰かがやらなければならないポジション。築き上げてきたもの、中日としての古き伝統を踏襲しながらやらないといけないだろうし、立浪監督が3年間でやってきて築いたものを自分の中で壊さないように。そこをどういう形で光らせることができるかを考えてやっていかないと」と話した。 　今季から2軍監督に就任すると、13年ぶりのウエスタン・リーグ優勝は逃したものの、124試合を戦ったチームを71勝46敗7分、勝率6割7厘で同リーグ2位に躍進させた。球団は9月18日の阪神戦（バンテリン）の試合後に立浪監督が退任を表明したことを受け、後任選びに着手。立浪監督が3シーズンにわたり若手を積極的に起用してきた路線を継承しつつ、モチベーターとしての手腕を評価して、井上2軍監督に要請することを決めた。