白馬で出棺、音楽葬に画廊葬…いまどきの心のこもったお葬式とは?
木住野 最近は、棺もおしゃれなデザインのものがありますね。 中川 今はさまざまです。故人が広島東洋カープのファンで、チーム公式コラボで作っている〝カープレッド〟の棺で弔われたこともありました。 木住野 音楽葬もありましたか。 中川 故人がジャズバンドのメンバーで、ジャズ葬を行ったことがあります。 木住野 お葬式で演奏したのですか? 中川 はい、大勢で。バンドはみんな真っ赤なコスチュームでした。 木住野 私はずっと音楽をやってきたので、斎場にグランドピアノを置いてほしい。生演奏で送ってもらえないかな。曲は「ダニー・ボーイ」がいいです。別れの歌なので。
中川 どなたかに演奏していただいて。 木住野 あっ、そうか、私のときは私がいないから、演奏できないですよね。 中川 なかなか難しいですね。 木住野 それならば、誰にも面倒をかけないように、少人数の一日葬がいいかもしれません。 中川 アーティストや芸能人の方にも直葬は増えていますよ。 木住野 そうなんですか。 中川 ご遺体は家族だけでシンプルに送って、後日スタッフやお友だちやファンの方々がお別れ会を行うケースが増えています。 木住野 それは私には難しいかな。私の演奏しているジャズの場合、一人で会場に聴きにきてくれる方がほとんどなんです。ご高齢のリスナーも多く、私と一緒に年齢を重ねています。 中川 音楽家の方に限らず、何かしら専門の職に就いていた方は、その仕事に携わっている写真や映像で演出をすることも多いです。 木住野 結婚式のように? 中川 はい。お葬式は別れの儀式ですが、故人がどんな人生を送ってきたかをみんなで振り返る日でもあるからです。いなくなって悲しむだけではなく、こんなに素敵な人だったんだ、とかみしめて、思い出を共有する。皆さん、感情を抑えられなくなります。故人と面識のない私たちも涙を抑えられなくなるほどです。 木住野 私がピアノを演奏する音と映像を流して、ラストでカメラを向いて「ありがとう」って言うとか。 中川 そんな映像を見たら、皆さん、号泣されるのでは。