白馬で出棺、音楽葬に画廊葬…いまどきの心のこもったお葬式とは?
(棺、霊柩車にも個性やバリエーションが。) 葬儀そのものの演出だけでなく、棺やオプションでも今はさまざまな演出や装飾が選べるようになった。棺は火葬とともに燃えてしまうが、考え方を変えれば、故人にとっては最期の寝床。そんな思いもあり、故人が喜びそうなものをチョイス。 ⚫︎棺は最期の〝ベッド。寝心地よくしたい?
⚫︎最期までカープ愛を貫く棺。
葬儀社との打ち合わせは必ず複数人で行う。
木住野 お葬式に起こりがちなハプニングはありますか。 中川 故人の恋人が押し掛けることはありますね。相続の受け取りを主張するという目的もあるのでしょう。私たちスタッフもある程度心構えをして、お葬式を見守っています。ご家族が察知していて、見張りを頼まれることもあります。 木住野 最期はきれいに送ってあげたいし、送られたいですね。 中川 きれいということで言うと、今はスマホで頻繁に撮影しているので、みなさん、遺影が美しくなりました。 木住野 以前は遺影になる写真を探すのが大変だったといいますね。母の遺影は90歳のときにスマホで撮影して、私が思い切り美しく加工しました。 中川 白装束ではなく、故人の好きだった服で、お化粧もほどこしてお送りするようにもなりました。エンバーミングはご存じですか? 故人の体液を抜いて専用の保存液を注入すると、ドライアイスなしで1カ月くらいは生前のような美しさを維持できます。 木住野 コストはどのくらいですか。 中川 20万円くらいでしょうか。希望する方は少しずつ増えています。 木住野 ここで中川さんに教えていただいたような技術や演出に対応できる葬儀をきちんと取り仕切ってくれる葬儀社は、どう探せばいいのでしょう。 中川 今はインターネットであたることが多いかもしれませんが。直接電話することをお勧めします。電話の応対の悪い会社は、斎場での対応も良くありません。 木住野 母は私に負担をかけたくないから、互助会で葬儀の積み立てをしてくれていました。ところが対応は最悪でした。呼び出されて足を運ぶと、葬儀社の人がいないこともあったり。積み立てていたのに相場の3倍以上だったことも後でわかりました。 中川 互助会もさまざまですが、契約のときにきちんと説明されないケースも耳にします。途中解約はできないと思い込んでいたり、積み立てしているから葬儀にはそれ以上お金を払わなくていいと思っていたら、高い請求金額を提示されて驚いたり。葬儀社もさまざまです。身内が亡くなり平常心でないので、必ず複数人で依頼し打ち合わせするようにしてください。 木住野 実はあまりにも腹が立って、私、声を荒らげてしまいました。 中川 そういう体験は木住野さんだけではないと思います。不必要なオプションを強引に勧めてくる葬儀社もあると聞きます。お葬式は遺された方々の気持ちで行う儀式。故人への感謝の心を大切に、自分たちには何が必要なのか一つ一つ判断することが重要です。