白馬で出棺、音楽葬に画廊葬…いまどきの心のこもったお葬式とは?
(コロナ以降、都市部を中心に葬儀は簡素化の傾向。) 2000年代に入りお葬式のコンパクト化が進んだ。コロナ禍には人が集まれなくなり、とくに都市部で身内だけで送るサイズの弔いが定着した。故人が子どもに負担をかけたくないという意識も働き、告別式だけを行う一日葬、火葬だけの直葬も増えてきた。 (簡単)
白馬で出棺、バンド演奏……。 個性的な演出のお葬式。
木住野 一日葬だと、遠方の身内も日帰りできるかもしれませんね。私の伯母のときは直葬でした。告別式がなかったので、すべてが終わってから連絡をもらい、寂しい思いをしたことを覚えています。生前かわいがってもらった伯母ですし、最期にお別れしたかった。 中川 限られた家族だけで弔うと、木住野さんのように、お別れしたくてもできなかったというようなことが起こりますね。すると、後日さまざまな人がお線香をあげに訪れます。だから、古典的な通夜と告別式をしっかり行ってけじめにするとお考えになる方も少なくありません。 木住野 中川さんのお話をうかがうと、お葬式は自由度が増してますね。 中川 今は演出もバリエーションが豊富ですよ。 木住野 たとえばどんな? 中川 喪主様の強い希望でしたが、都内の大きなお寺で、白馬の先導で出棺したことがあります。 木住野 すごい! 馬はどこから? 中川 喪主様が競馬場で手配してくださいました。 木住野 馬は扱いが難しいですよね。 中川 調教の方もいらっしゃいました。私たちも不慣れですが、馬も緊張して、いざというときに粗相してしまい、みんなで片づけて。そういうトラブルも含めて、ほかにはないとてもいいお葬式でした。あとは故人がバイクを愛していて、ツーリング仲間が出棺を先導したこともあります。 木住野 バイクで? 中川 はい。葬祭場から火葬場まで一般道を走ったので、火葬の予約時間に遅れないかとひやひやしました。
(こんな送り方も。葬儀のスタイルはさまざま。) お葬式は、大切な人との別れだけではなく、近しい人たちが大切な人の人生をともに振り返り、思いを共有する日でもある。とくに故人が専門職だったり、趣味に熱中していたりした場合、故人らしい演出が増えている。 ⚫︎斎場に設営された故人の〝最期の個展。