「日本オープン」開催を機にエリア活性化を目指す ~玄海GC
現時点で最も先の「日本オープン」開催コースに決まっているのが、2029年開催の玄海ゴルフクラブだ。合わせて、2026年に「日本シニアオープン」が行われることも発表されている。2023年1月から8カ月間に渡って休業し、コースの改修、クラブハウスの改装、練習場の整備を行い、着々と準備を進めている。開場60周年を迎えた玄海GCは「日本オープン」の開催を機に新たな姿に生まれ変わろうとしている。
玄海GCが「日本オープン」開催に向けて動き出したのは2020年のこと。親会社からトーナメントをやろうという声が上がると、平光貴(たいら こうき)総支配人は男子ツアーに狙いを絞った。「九州のゴルフ場として名前が挙がるのは古賀GCや芥屋GC(いずれも福岡)、フェニックスCC(宮崎)と男子ツアーの開催実績があるコースばかり。四国のKochi黒潮CC、関東近郊の太平洋クラブ御殿場C、川奈ホテルGC(いずれも静岡)も同様です」。知名度を上げ、多くのゴルファーにプレーしてみたいと思われるには女子ツアーよりも、男子ツアーの方が効果的というのが平支配人の考えだった。その中でも「歴史があり、格が高いトーナメント」として「日本オープン」開催を目指すようになった。
主催の日本ゴルフ協会(JGA)と話し合いを重ね、2029年の開催コースとして発表されたのは2023年6月のこと。このころは2グリーンから1グリーンに変更するなど、コース改修の真っ盛りだった。「みんな泥んこになりながらやっていましたね」。クローズだった8カ月間はキャディ、フロント、営業などの普段の持ち場に関係なく、ゴルフ場のスタッフがコース改修の作業に入った。主に行ったのは芝の張り替え。男子プロの飛距離に合わせて、位置を変更したクロスバンカー周辺、グリーン周りの芝などはスタッフが担当した。
「専門の業者の方にご指導いただきながら、面積にすると約10万平方メートルを我々自身の手で張り替えました。スタッフ間でこれまで以上にコミュニケーションが図れましたし、コースにより愛着を持てるようになったと思います」。休業した8カ月は売り上げがなく、経営面で厳しい部分もあったはずだが、平支配人はプラス面を強調する。